ロンドンで働いて感じる移民のもろもろ2
ロンドンで働いて感じる移民のもろもろでは、ロンドンに住んでみて感じる1.移民の多さ、2.周囲のビザの種類、3.多様性が高い環境における環境の整備について書きました
今回は移民が支払う税金や世論、ロンドンの外の様子について書きたいと思います。タイトルにはロンドン入っていますが、今回はより統計だったり政策の公式情報をまとめた記事になっています。もうちょっと人と交流できていたり、日ごろから英語記事を読めていればもっと実感のこもった記事をかけていたと思うのですが。あまりイギリスコミュニティに入り込めていないことを実感しています
4. 移民が払う税金
イギリスは診察や手術が無料です(ただし薬が高い)
しかし、非EU国籍者はイギリスに6か月滞在する場合、International Health Serchargeを支払う必要があります。2015年に、通常の税金の貢献に加えて、移民が適切なNHSに対するコストへの貢献をするように課されることになりました
これがめっちゃ高い、ほんと高い。2024年現在で以下の通り
学生、その扶養家族、およびYMSビザを持つ場合
年間776£、2年間のビザ1,552£その他すべてのビザ、および移民申請の場合
年間 1,035£、3 年間のビザ3,105£
なおこの金額は2023年の以下値上げ後のもの
学生や18歳未満の申請者、ユース・モビリティ・スキーム (YMS)ビザ 470£→776£
就労ビザ年間
624£→1,035£
40%の値上げ・・・今後も上がっていくことでしょう。学費も年々上がっていくものだし、コロナみたいなことがいつ上がるかもわからないわけで海外経験をしたいならともかく早く、といえます
ただ、イギリスに就労で5年以上滞在すると永住権が申請でき、永住権の獲得にはIHS料金は不要です。一時的な滞在でコミットメントの低い人は税金に加えてIHSとして追加料金を払えということですね
ほんとに取れそうならいくらでも金を取るという感じですね。日本も見習ったらよいです。ちなみに日本でワーキングホリデーをイギリス人がする場合は、大使館HPに明記されていなかったのでよくわからないのですが、保険加入を薦めると記載されていたため、国保には入らない想定と思います
ちなみにビザ発給量はたったの3000円です。信じられない安さ
5.世論
移民に対する世論データはないのですが、政府からの発言やビザの動きは以下の通りです
全体の数としては多すぎるという認識で、イギリスの大学を卒業してイギリスで生まれたイギリス人と同じような一般的なホワイトカラーの人材流入は減らし、ブルーカラーや経済を牽引してくれそうなトップ層は移民でも数を維持したいといったところでしょうか
イギリスに限らず新興国ではない先進国はどこもそのようなニーズがあると思われる一方、国に対して齟齬なく適応できそうなのは移民先の大学を卒業した人間で、だからこそGraduate Visaを各国用意してはいると思うのですが
まぁともかく国益を考えて、人数やプライジングを徹底して行っていますよね
■スナク首相発言
加えて、スナク首相はかなりの反対、人権擁護団体からの申し立てどころか欧州人権裁判所(ECtHR)の差し止め判断や英最高裁の違法判決さえ受けながらも、不法移民をルワンダに送り返そうとしています。ルワンダに送る方がイギリスに滞在させるよりも1人あたり6万3000ポンドほど高くつく試算が英内務省から出ていてもです。これが彼個人の意思なのか、選挙に有利(つまり民意)なのかは不明ですが・・・
イギリス議会、不法入国者のルワンダ移送法案を可決 深夜まで審議の末に
■Graduate Visaの廃止
今イギリスの大学を卒業すると、2年間イギリスに滞在することはできますが、これを6か月にすることが内務大臣から提案されました(結果的に却下されています)
UK Graduate Visa: All you need to know in 2023 (studyinternational.com)
■High Potential Individual(東大京大のためのビザ)
2022年から開始されたビザで「極めて優秀な人たち」をキャリアの早い時点でイギリスに引き寄せるためのもの。日本だと東大・京大の卒業生が対象です。学士号・修士号の取得者は2年、博士号の取得者には3年の就労ビザが与えられます
申請料は2024年時点で822£、医療費として 4. 移民が払う税金で記述した通り、1年につき1035£。たっか~~~~
ちなみに英語の要件もあります。B1以上です。(B1;「ネイティブスピーカーと難なく意思疎通できる流ちょうさ)
世界トップ大学の卒業生対象、英ビザ取得で新制度 日本からは2校 - BBCニュース
■YMS
些末な数ではありますが、2024年からYMSの定員は1500人から6000人に増加しました。
6.コミュニティ
このコミュニティがどのようにワークしているのか、そしてそれで行政などに困りごとができているのかないのかは不明ですが、人種の偏った街があるのは事実です
Southallはインド人街で、駅から降りた瞬間、ターバンを巻いた、ガチのインドスタイルの人だらけになります。建物は全てイギリスの建物ですが、皆インド的な服装でインド人なので別の国みたいです。ふたつとなりの駅、WestEalingも下車したことがありますが、こちらは白人とアジア人もいる地域で、本当にSouthallがともかく特殊です。インド人で代々土地も受け継いでいるのでは?というレベル
またSouthEast地区のCatfordで下車すると、ほぼ黒人で白人は10%いるかいないかくらいでした。なお、Catfordは立派な建物や緑も多くて、みすぼらしい街とかそういうことはないです。差別というか、同じような外見で集まって暮らした方が心地がいいのかなぁと思いました
日本にも特定の地域の移民を多く受け入れているとこのようなコミュニティ地区ができてくると思いますが、心地よく、でも閉鎖的でなく、うまくいくといいのですが・・・
7.ロンドンの外
ぶっちゃけいうと、ロンドンで見るクリーナーは全員有色人種です。オックスフォードでもそうでした
しかし白人でもウエイターどころかホテルのクリーナで地方いくと見かけます。イギリス人ではないかもしれませんが・・・。移民がロンドンに比べるとはるかに少ないというのもそうですし、仕事自体も少ないのかもしれないですね. また、この記事を見る限りNHSで働いてくれる医療従事者は移民からでもかなり必要という認識が深くあるように思われます
8. 事件
今となっては聞きませんが、コロナ時期にアメリカでアジア人ヘイトがあったときにイギリスでも東アジア人への攻撃が増えたという証言があります。
9. 適応する努力
前述した通り、イギリスでは英語ではない言語が飛び交っています。またヒジャブもかぶっていいです。かぶってる人沢山います。サウスホールではターバンの人だらけです。ただし永住権の獲得には日本と違ってイギリス基礎知識みたいなテスト(Life in the UK)を受けなくてはいけないし、YMSはないけど学生ビザでさえ英語力証明をしないといけません。そして英語が話せないとクリーナーとキッチンポーター以外はほぼ人権がないです。2回pardon?と言ってしまうともう繰り返してもらえません。英語は話せないといけないんです
日本でも日本に適応してもらうために、こちらからの支援に加えて、こういうロードマップというか勉強が必要なステップを用意するとうまく作用する可能性があるのではないかと思ったりします
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