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ハーバード大教授がUAPを探すプロジェクトを発足!「人類はもはや地球外技術文明存在の可能性を無視できない。」

2017年に飛来したオウムアムアは、ETが造った宇宙機という仮説を唱えている、ハーバード大学の教授らが、地球外技術文明や"UAP"を、民間で探す計画を発足し、多くのメディアが取り上げている。

ガリレオ・プロジェクトとは

 ハーバード大学前天文学科長で、現在、ハーバード・スミソニアン天体物理学センター(CFA)所長の、アヴィ(アブラハム)・ローブ教授は、イスラエル出身の天文物理学者で、ファースト・スターや、天の川銀河とアンドロメダ銀河の衝突、ブラックホールの研究などで有名。昨年は大統領科学技術顧問会議メンバーも務めた。
また、2016年には、故スティーヴン・ホーキング博士らとともに、太陽系の隣の恒星、アルファ・ケンタウリを探査する「ブレークスルー・スターショット計画」にも参画していたように、地球外文明の探査にも関心が深かったが、2017年に太陽系外から飛来した恒星間飛行体 "オウムアムア" が、観測の結果、不自然な加速など自然天体では説明のつかない特異な性質を持っていたと分かると、以来、地球外知的生命体による探査機ではないかという説を発表し続けていて、一流学者の主張だけに、科学界を困惑させ、非難もされた。
一般には、国際チームによる2019年の研究で、同仮説は否定されたとなっているようだが、それもまた仮説なのであり、ローブ教授はさらに反論する論文も発表しているし、実物を探査機で追いかけて確かめでもしない限りは、実際分からないのである。

そして今回、CFAの正式プロジェクトとして、ローブ教授自らが主宰する、地球外人工物の証拠を科学的に探索する「ガリレオ・プロジェクト」の発足が発表された。
チームには、ケンブリッジ大、プリンストン大、イエール大などの一流学者陣が多数参画している。

公式サイト:

その目的は、地球外技術文明(ETC)の痕跡の探索を、偶発的あるいは裏付けに乏しい観測や伝聞から、透明性があり検証された、体系的な科学研究の主流に持ち込むことであり、地上ベースでの観測ではあるが、電波(電磁信号)の受信ではなく、物理的な物体を探索するという点で、従来の SETI 計画を補完するものとなっている。
また、ETCの証拠を発見する可能性とは別に、少なくともガリレオ・プロジェクトは、異常な特性を持つ星間物体や、新しい自然大気現象候補、あるいは場合によっては、現在説明不可能なUAPの多くに対する説明を助けるような、豊富なデータセットを収集することになるという。

そのために、①マルチな検出器を備えた小口径望遠鏡のネットワークによる(大気圏内の)UAP画像の取得、および、②チリで建設されている、最新式のヴェラ・C・ルービン天文台なども利用した、オウムアムアのような恒星間天体の太陽系への訪問の監視、また、③ETCが地球周回軌道上に配置した小型衛星の候補の探索という、3つの主要アプローチを行う。
特にUAPに対しては、光学、赤外線、レーダー観測が回避される可能性も考慮し(実際、ニミッツ事件のTic Tac UFO動画撮影時、ジャミングの痕跡があったとパイロットが証言。)、特殊な検出器や、既知の物体と区別するための、AIを駆使したアプローチが行われる。
つまり、AIで制御された、望遠鏡のネットワークを構築するというアイデアで、AIについては既に中国に先を越されているようだし、ペンタゴンも採用したいと発表しているので、今後のキー技術となるだろう。
望遠鏡は、口径10インチ以上の物なら使えるそうなので、多くの研究者や団体が協力を申し出て来ると期待され、実際、問い合わせが殺到しているそうだ。

科学界にもある「スティグマ」

 26日のプレス・リリースの直後に行われた、"THE BLACK VAULT"のグリーンワルド氏によるインタビューで、ローブ教授は、プロジェクトに「ガリレオ」の名前を付けたことについて、ガリレオ・ガリレイの時代に、哲学者が望遠鏡を見ることを拒否して天動説を主張し続けたという逸話にちなんでいると述べた。
その話が史実かどうかは別として、哲学者とは要するに宗教家を遠回しに言っているのだろう。
そして教授は、必要なのは哲学ではなく高解像度の画像だと、非常に本質を突いた主張をしている。
地球人類だけがユニークな存在だ、という哲学(宗教)は傲慢であるとも。

プロジェクト公式サイトのトップには、次のような事が書いてある。
「人類はもはや地球外技術文明(ETC)の存在可能性を無視することはできません。
社会的スティグマ、または文化的嗜好、公平で先入観のない経験主義による調査という科学的手法に資することのないこれら要因のために、地球外の(技術文明による)説明の可能性を、科学は教条主義的に拒否すべきではありません。
ガリレオ・プロジェクトは、これらの課題に取り組んでいます。
私たちは今、文字通りにも比喩的にも、新しい望遠鏡をあえて見なければなりません。」
要するに、軍の内部と同じように科学界でも、UFOや地球外生命の話題に対するスティグマ(偏見、蔑視)の問題が、研究を阻んできたということだろう。

資金提供したのは

 ところで別の注目すべき点は、軍や政府とは異なり、観測データは逐次Webで一般公開し、科学的分析も透明性のあるものにするという方針。
軍など政府の組織が持つ観測機器で得られたデータは、機密扱いとなって科学的な利用がしづらいので、ペンタゴンとの協力は考えていないとローブ教授は語っている。
実は、オウムアムアの発見より数年前に、太陽系外から飛来した疑いのある物体を教授らが発見したのだが、政府管理の観測データだったために、測定誤差に関する情報を請求してもなかなか信用に足るものが得られず、結局、機密アクセス権を持つ査読者が見つからなかったために、論文が出せなかった苦い経験があるそうだ。
「我々が空に見ているものは、科学者としての訓練を受けていない政治家や軍人ではなく、科学界が解明すべきものです。」と教授は言う。
まあ、お役所というのは何処の国も似たようなものかもしれないし、アメリカの場合は民間の方に優秀な人材の多くが行ってしまうという事なのかもしれないが、実に勿体ない話だ。

 地球外生命の探査は、これまでほとんどの場合、政府が資金提供してきた。
しかし教授によると、今月になって、複数の裕福な人達から、自由に使って欲しいと175万ドル(1億9000万円)の寄付があったそうで、教授自身は、通常行われるような資金集めを、それまでしていなかったという。(ハーバードは私立大学である。)
寄付者の人達の名前や所属は、プロジェクトのサイトで公表されているが、例えば、"UAPx"という非営利団体には、ニミッツ事件のケヴィン・デイがメンバーになっている。
しかし失礼ながら、さほど裕福な肩書の人達とも思えないので、さらに背後に、本当の資金提供者達がいるのかもしれない。
つまりは、一連のディスクロージャー活動には、シナリオライター達がいて、ペンタゴンのUAPレポートが出たあと、民間でも調査してくれそうな学者として、以前からマークされていた、ローブ教授に白羽の矢が立ったという事なのだろう。
民間と軍で、どちらが先に証拠を掴むのか!という流れになれば面白いのだが、果たして。


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