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自動化技術により新しい価値が生まれる

BIMの活用において業務を自動化することでどのような恩恵があるのか。
今回は設計フェーズにおいて、モデリングが完了するまでの業務における自動化の意義について解説します。
BIMソフトウェアはCADに比べて高度な機能を持ち、設計業務に特化しているとはいえ、BIMモデルを完成させる中で繰り返し行うルーティン作業というものは必ず発生します。そのルーティン作業は変更が発生するたびに対応しなくてはならないため、日々の限られた時間が削られます。複数のプロジェクトが同時進行している場合、より効率的な運用が必須になることは言うまでもありません。
この重圧から解放され、本来時間をかけるべき業務により多くの時間を費やすことができたらこれほど素晴らしいことはないでしょう。


■モデリングが完了するまでの業務を洗い出し

BIMソフトウェアを利用してモデリングを行う際、概ね以下のような作業が発生します。

  • 設計(企画~実施設計)

  • データ入力・データ管理

  • モデリング

  • 図面化

  • 修正・変更

  • チェック・改訂

ここからさらに細かな分類ができますが、ここでは割愛します。
設計者とオペレーターが別々の場合もあれば、1人で兼任することもあります。しかし、やるべき業務は変わらず、日々膨大な量の業務が発生しています。これらを繰り返しこなしていく中で、「考えて行うべきもの」と「あまり考えなくてもできるもの」は明確に区別されており、後者ほど意外と多くの時間を要し、負担になっています。


■自動化できる作業とできない業務

□単純作業は自動化する

上記の内容のうち、自動化すべきものはなんでしょうか?
データ入力を例に挙げると、既存のスプレッドシートを見ながらデータを入力する場合、特に何も考えずに見たままを入力すれば良いので、まさに自動化すべき作業です。管理についても同様で、入力されたデータを参照しながら誤った部分を抽出し、修正したりアウトプットする際に加工したりする作業も自動化することができます。
さらにモデリング・図面化の作業に関しても、決められたルールに則って必要なオブジェクトの配置、作成、2D加筆など、多少の感覚的なものがあるにせよ自動化での対応が可能な項目と言えます。

□自動化できない業務にはより多くの時間を割く

一方で、コミュニケーション上で発生する業務などは自動化が困難です。
設計はそもそもデザインの検討や発注者との協議が必要であり、この部分を自動化するには様々なナレッジをパターン化するなどのデータへの置き換えが必要です。
また、成果物に対するチェックや指摘事項の作成などの設計者とオペレーター間のやりとりも自動化することは容易ではありません。

単純作業に時間を奪われてしまい、本来時間をかけるべき業務に思うように時間を割けないケースも少なくありません。このような課題の解決のために、自動化技術が最大限効果を発揮することが期待されます。


■自動化技術によって生まれるもの

設計者が自分でBIMソフトを活用し、プロジェクトを運用している場合、ルーティン作業に圧倒的に多くの時間を要し、そのため設計にかける時間は少なくなります。本来であればより優美で機能的なデザインを生み出すために、創造性を要する業務に時間を費やすべきですが、現実はそうはいきません。仮にルーティン作業に要する時間が従来の10分の1になったらどうでしょう。10時間かかっていた作業が1時間で済み、残りの9時間を発注者が納得のいく設計を考える時間に充てることができます。
設計者とオペレーターが別の場合も同様に、作業時間の短縮により、早期チェックや確認作業へより多くの時間を割けるようになるため、問題を容易に発見できたり、設計者とオペレーターの意思疎通の時間が増え、齟齬を減らすこともできるでしょう。これにより、重大な問題が起きにくい環境が構築され、プロジェクトをスムーズに進めることができます。

時間に余裕ができると新たな知見を習得する機会も増えます。そこから得た知見を課題解決のために活かし、更なる課題解決に繋げることも期待できます。これこそBIMの活用における自動化の意義と言えるでしょう。BIMの活用において自動化技術は単なる業務効率化にとどまらず、新しい価値を生み出すための不可欠な要素と言えます。

尚、BIMに自動化技術が加わることで生まれる圧倒的な業務効率化については以下の記事で紹介しています。


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□Revit Tips & Tricks


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