見出し画像

フェアプライスながら本格派。KO-GUで磨く日本人の嗅覚

KO-GU(コーグ)は、NOSE SHOPがプロデュースするフレグランスブランドです。当初、香りの体験型店舗として丸の内にオープンされましたが、最近になって販路が広がり、都内に数店舗が展開され始めています。

驚くのは価格です。1本あたり2,420円(8ml)から販売されていて、いずれもオードパルファム(EDP)なので、ノートの変化がしっかりと楽しめるのです。これ以上の説明は、私が語るよりも公式サイトの方が確かです。抜粋させていただきました。

コーグ|香具
デイリーフレグランス
日常にこそ最高品質の香りを
製造工程をシンプルにすることで天然香料主体の世界最高品質の香水フェアプライスでお届け
これこそが日常に寄り添う柔らかな香り
肌にも髪にも、お洋服やお部屋にもマルチユースに様々な香りを楽しめます

https://ko-gu.com/

以前から気になっていましたが、NOSE SHOPのオンラインショップでも取り扱いが始まり、「晩夏おすすめキット」というのを見つけたので購入してみました。8mlのフレグランスが3本入っていて、単品で購入するよりも割安です。

ブランド哲学がどのように体現されていたか。レビューをお届けします。


BLACK TEA | ブラックティー

https://ko-gu.com/products/kog-bkt-edp

レモンとオレンジの爽やかな香りが鼻腔をくすぐると、すぐに紅茶の深みある香りが主役となる。渋みと甘みのバランスが絶妙で、大人びた落ち着きを感じさせる。そこに海の香りが混ざり、塩気を帯びた風が紅茶の香りに意外性を加える。

やがて、ジャスミンの華やかな香りが全体の印象を柔らかくし、紅茶と海の意外な組み合わせを巧みにまとめる。マテ茶の独特な風味が加わり、香りに奥行きが生まれるが、ふと気づくと、これらの香りの競演は静かに幕を閉じている。

個性や奥深さはあまり感じられないが、心地良さはある。肌につけるフレグランスとして、良い香りかどうかは意見が分かれそうだ。

調香師:不明
香りの強さ:★★★☆☆
香りの持続時間:★★★☆☆

SANDAL WOOD | サンダルウッド

https://ko-gu.com/products/kog-sdw-edp

付けた瞬間、ベルガモットの爽やかな香りが鼻を刺激し、すぐにシナモンとクローブを思わせる温かみのあるスパイスの香りへと変化する。古い図書館の木製本棚を連想させるこの香りに、ゼラニウムが華やかさを添える。

やがて、サンダルウッドとシダーウッドのウッディな香りが全体を包み込む。バニラとトンカビーンの甘い香りがサンダルウッドの温かみと絡み合い、心地よい余韻を生む。ラブダナムの樹脂のような香りが、ベースの一部であることが徐々に明らかになる。

この香水は、フレッシュからスパイシー、フローラルを経てウッディへ、そして最後は甘く柔らかな余韻へと変化する。派手さはないが、各香りの主張がはっきりしており、変化を感じたい人に試してもらいたい香りだ。

調香師:不明
香りの強さ:★★☆☆☆
香りの持続時間:★★★☆☆

OSMANTHUS | オスマンサス

https://ko-gu.com/products/kog-osm-edp

爽やかなベルガモットの香りが広がり、すぐに金木犀の甘美な香りが追随する。やがて、アプリコットの甘酸っぱい香りが現れ、全体を柔らかく包み込む。この瑞々しさは、金木犀の甘さと絶妙なバランスを保つ。

時間とともに、金木犀の香りは変化。甘さが落ち着きわずかにウッディな印象を帯びる。控えめなローズの香りが深みを添え、最後にトンカマメの甘い香りが静かに広がる。その温かみのある甘さは、柔らかな安心感をもたらす。

この香水は、穏やかな変化と柔らかな香りの重なりが特徴的だ。金木犀を中心に、果実の甘さと温かみのある甘さが調和している。落ち着いた雰囲気を好む人や、秋の訪れを感じたい人に適した香りといえるだろう。

調香師:不明
香りの強さ:★★☆☆☆
香りの持続時間:★★★☆☆

まとめ

潔いストレートな製品名からかけ離れない香り。そして、オードパルファムらしいノートの変化が、成分の構成通りに忠実に順を追って訪れる印象です。

「KO-GUから提供されるのは素材であり、そこからストーリーを紡ぐのは私たち消費者である」。そんなメッセージが込められているように感じました。

香りを発見する調香体験

私は調香師に対するリスペクトが強く、一つ一つの香水に込められたストーリーに強く惹かれます。それゆえに、香水を重ねづけするいわゆるペアリングという行為にやや抵抗があります。

その考えはいまでも変わりませんが、ペアリングを真っ向から否定しているわけではありません。それをいったら、「ラーメンに胡椒を入れてはならない」と言っているのと同じですからね。ペアリング前提で調香されているジョー・マローンのように、KO-GUは、自分好みのベースを発見し、そこに味付けするようにアクセントをペアリングしてよいブランドだと思います。

私を含め、専門知識を持たない者がゼロから調香するのは難しいでしょう。KO-GUはそのハードルを大きく下げてくれます。

KO-GUなら冒険できる

自分好みの香りを見つけるのは大変ですが、フェアな価格だからこそチャレンジがしやすい。KO-GUで自分好みの香りにたどり着けるかどうかは、私にとって挑戦状のように感じられます。

そもそも自分が香水を選ぶ基準はなんだろうか、と自問自答してしまいました。これから気になるものをいくつか買ってみて、自分の嗅覚を鍛えたいですし、香水に対する理解をもっと深めたいと思えるブランドです。

ボトルを持っていると「8mlって少ないのでは」と思いましたが、毎日使っても軽くひと月は持つ量だと思います。身軽な気持ちで香りを探索する旅に出てみてください😎

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?