さらっと西洋建築史10〜古代の再生を目指したルネサンス建築〜
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さらっと西洋建築史10〜古代の再生を目指したルネサンス建築〜

15世紀になるとゴシックに変わり、フィレンチェを中心としてルネサンス建築という新たな建築様式が生まれてくることになります。「ルネサンス」とはフランス語で「再生」を意味します。

当時のフィレンチェでは、富裕な商人たちが次第に政治的な権力を握るようになってきます。それと同時に彼らは芸術家のパトロンとなり、新たな文化の形成に貢献することとなります。

かつて芸術がその頂点を極めた古代の「再生」、オーダー等の意匠構成の復興を図る事で新たな建築様式を作ることに腐心していきます。

その中で生まれてきた建物達が、ルネサンス建築様式として花を開いていくことになります。

「建築家」の誕生とサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂ドーム

1418年、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の中央ドームの架構形式を募る設計競技が開催されました。フィレンチェの世俗のシンボルとして13世紀末から建てられていた建物のドーム部の設計競技です。
古代パンテオンを超えるドームの建築、この難問に対し古代建築の研究を通じた独創的な解法(二重構造のドームで互いを支え合う設計)を提案した人物こそが、建築家F・ブルネレスキです。
石積み建築のドームとしては現在でも世界最大級の大きさを持ちます。

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サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂 写真:wikipedia

このドームの建築は中世のアノニマスな職人ではなく、知的・文化的価値の創造者として目覚めた「建築家」による設計により建てられたものです。
優れた建築家による構想をもって建築空間を実現するといった新たな展開を切り開いた意味でも、フィレンチェの大聖堂はルネサンスの始まりを告げる建築と言われ親しまれ続けています。

ルネサンス建築最古の作品 孤児養育院

サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂のドームの建築により名声を得たF・ブルネレスキは、孤児養育院の計画も行いました。
ファサードに見られるコリント式の柱の列柱や半円アーチは古代ローマのオーダーの再生であることは明らかで、孤児養育院もまた、「再生」をテーマにしていたルネサンス建築の最初の建築作品として評されています。

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孤児養育院 写真:wikipedia

ルネサンス建築の最高傑作と呼ばれるテンピエット

ルネサンスの誕生を経て建築家達は、ローマに点在する古代建築の研究に没頭していきます。

サン・ピエトロ・イン・モントリオ教会の中庭にあるテンピエットは、1502年頃に建築家ドナト・ブラマンテにより建てられた建築物です。

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テンピエット 写真:wikipedia

テンピエットは、同時代の建築家たちが理想と掲げていた円形聖堂(ルネサンスの建築家は円を人体と宇宙と調和を象徴する理想図形であるとしていた)を持ち、純正なドリス式オーダーと単純明快な比例構成の採用によって達成されています。

古代の「再生」を目指したルネサンスは建築はオーダーと比例原理に基づく規律性のある建築として結実していくことになります。

ルネサンス建築もまた、ヨーロッパの都市全土に広がっていくこととなります。
以下のサイトに様々なルネサンス建築が紹介されていますので興味のある方はご覧ください。

バロックへの予兆を持つカンピドリオ広場 

天才ミケランジェロも、フィレンチェにて生を受けルネサンス期に活躍した建築家の一人です。

ミケランジェロは彫刻家、画家、建築家、詩人、社会活動家であり、西洋美術史上のあらゆる分野に、大きな影響を与えた芸術家である。レオナルド・ダ・ヴィンチと同じく、ルネサンス期の典型的な「万能(の)人」と呼ばれた。

様々な建築物の計画を行うと同時に、ミケランジェロはカンピドリオ広場の設計を行うことになります。
ここでミケランジェロはルネサンスの古典、規律性を重んじる精神からさらに先、動的で、パノラマとしての視覚的世界を求めた計画を行っていくこととなります。

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カンピドリオ広場計画図 写真:COMMEDIA

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カンピドリオ広場 写真:wikipedia

台形として計画された広場は透視図法的な効果を高めていると同時に統合された意匠を施すことで一体性を持った全体は動的緊張感を持った舞台装置として計画されました。

広場の舗装に浮かび上がる楕円形は次の時代、バロック建築への変遷を予感させるものでもありました。

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西和人/Archlife

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建築家|Archlife主宰|株式会社西和人一級建築士事務所|金沢科学技術大学校非常勤講師|日本建築士会連合会青年委員会|Hp:https://archlife.jp|Insta:https://www.instagram.com/kazutonishi_architects/