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住宅がどんどん重くなっている?〜大型パネル工場見学〜

こんにちは!アーキロイドの福井です。
私は10年ほど前から、耐震や高気密、高断熱という言葉をよく耳にするようになり、「外壁」や「屋根」をどんどん「高性能化」させるのが当たり前になった。

夏は涼しく冬は暖かい高性能な住宅に越したことないと思う。
でも、それってどういうことが変わっているのか?

耐震性を上げるために「分厚い壁や屋根」の必要あり
高気密にするために「細かい隙間をテープや発泡ウレタンで埋める」必要あり
高断熱にするために「分厚い窓」「隙間なく断熱材を詰める」必要あり

年々、高性能化が進み、やることは多くなるし、とにかく物が重くなるばっかり!

家を建てる工程の中で、高性能にする作業が大工仕事と混ざっているので、
大工さんにお願いしてしまっているが、これってこのままでいいのかな?

設計者だってクライアントだって、怪我をしそうなほどの重いものを持って欲しいわけじゃない。鍛え上げた技術力で、もっと腕をふるって欲しいと思う。

「大型パネル」というものがある。高性能化した重い「外壁」と「屋根」を大きなパネルにして、クレーンを使って組み立てる。
大工さんが「腕を振るう仕事」に繋ぐための工程といったところか。

高品質な紀州材で有名な「山長(ヤマチョウ)商店」の無垢(ムク)の紀州材を使った
「モック 大型パネル工場」へ見学に行ってきました。
(和歌山県が育んだ良質な材(ザイ)を「紀州材」と言う)

作業は、二人一組。
まず、柱や間柱(マバシラ)を寝かせて、壁を作っていく。(もうすでに不思議な光景)

寝かせている壁に、断熱材やシート、テープをぴっちり貼って行く。
(こういう作業を一人が歩けるほどの幅の足場でやっている大工さんに、脱帽。)

立ったりしゃがんだりしなくても、足場(アシバ)が昇降する…!

とっても広々と作業しているが、現場が狭いと資材を置く場所なども工夫しなくてはいけない。(近くの工事現場があったら、比べてみて)

工場って、別に無味乾燥に作られているわけではない。
住宅ごとに違う窓や防水シート、断熱材に対応しているので、それぞれの特性や施工性の勉強会をしているそう。また、より良く大工さんに仕事を引き継ぐために、現場にも行く。一棟終わるごとに仕事の振り返り、情報共有会をしてブラッシュアップしているそう。なんだか、新しい職種なのかも!

下の写真は、敷地に運ばれて上棟を待つばかりの外壁や屋根。
一枚一枚、ぶつかったら壊れてしまうので、すごく丁寧に梱包されている。
ラッピングされて、敷地に届くプレゼントのようでワクワクする。かわいい〜

柱に書かれた番号は、組み立てる順番。答えがわかっているパズルのよう。

いろんな職能の人たちと、よりよくなる未来を語りたいな〜と思う。福井


『福井典子の家』ーあたりまえを磨く滋味深い家ー
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