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Habitat67、倒壊寸前ショッピングセンター、林業が絶望的な話(コンワダさん75週目)
こんにちは、株式会社アーキロイドのコンワダです。3週間ぶりです。だんだんと間隔が広くなっていて「”今週”社内で話題になった」という体が通じなくなりつつあります。「”今月”社内で話題になった」でも、コンワダさんで通じるから大丈夫ですかね。
さて、今週も社内で話題になった事例(コンワダさん)からいくつかをご紹介します。バックナンバーはこちら。
UnrealEngine上で再現された「Habitat 67」の全景
1960年のモントリオール万博のシンボルで計画の全てを実現できずに終わった建築物「Habitat 67」をUnreal Engine上で実現した「Hillside」が公開されました!
— しゅーや / Syuya Mukai (@syu_ya23) May 17, 2023
Google Streamingを用いたWeb上、もしくは実行ファイルからHillsideを探索できます!https://t.co/E7QPN2gyR4#UE5 #archviz pic.twitter.com/afmJFYiIIC
イスラエル出身の建築家、モシェ・サフィディの初期の代表作「Habitat 67」。実際の建物は計画の全景ではないそうで、今回UnrealEngineで再現されたモデルはその全てを見ることができます。実際に会社のメンバーとVRを楽しみました。
非常にフォトリアルですが、VRで鑑賞しているということもあってか、全体を通してSF的な印象を受けます。SFの舞台は近未来的なイメージがありますが、Habitat67は1967年築ながらいまだに近未来的な印象を発し続けているのでしょう。モントリオール万博では住居が一つのテーマになっていたようで、サフディはこのモジュールユニットによる集合住宅の建築様式を世界的に広げたいと考えていたようですが、予算などの条件から採用されることはありませんでした。SFは実現しそうだけどしない近未来感があって、広がりそうだけど広がらなかったHabitat 67のノスタルジックな空気と通ずるところがあるのかもしれません。
(モシェ・サフディはシンガポールのマリーナベイサンズを設計した人です。初めて名前を聞いた、という方にはそちらのほうがインパクトがあるかもしれません。)
倒壊寸前「青空ショッピングセンター」@宮崎
![](https://assets.st-note.com/img/1684675743799-K6ktJv8CVs.png?width=800)
宮崎市にある商店街「青空ショッピングセンター」の建物だそうです。倒壊寸前の状態です。昭和20年代には栄えていましたが、近隣のスーパーや大型ショッピングモールにおされて、今では5~6店舗の営業だそうです。このショッピングセンターは80人近くが共同で所有しており、うち20名が行方不明ということもあり、建て替えの計画が進まないまま今日に至ります。営業しているお店の人たちも、この状態を良しとは思っていないながら、所有者が離散しており状況の改善が見込めない状態になっているようです。倒壊の危険性から行政の介入待ったなしの状態です。
最初にこの画像を見たときは、精度があまりよくない3Dスキャンのモデルかと思いました。しかし写真と知り、現実にこの状態の建物があることをかなりの衝撃だと感じました。安全性の観点からも状況の改善を望みつつ、なんとかこの商店街の歴史を閉ざさずに紡いできた人の心情も聞きたくなる一枚でした。(※決してこの状態に敬意を示しているわけではありません)
木材自給率が倍増しても林業が絶望的な話
この記事は、宮崎県に山林を持っている所有者が、違法伐採(盗伐)の被害にあった話から始まります。これは現代の林業の闇の1部分であり、かつ象徴的な出来事の1つでもあります。林野庁は林業の成長産業化を掲げていますがその目論見が明るくないことを述べています。木材自給率が2002年に比べて倍以上の41.1%と上昇している一方で、そもそも木材需要自体がシュリンクしているので林業の経済的成長は難しいこと。外国産材に比べて国産材が高い、というイメージがありますが事実はそんなことはなく、丸太の段階では国産材は安すぎるほど。ただし製材の段階になると国産材のほうが高くなる逆転現象が起きています。外国産材は商社などが需給の管理を調整して価格を保っているのに対して、国産材はあらゆる中間工程で不正確な見込み生産による在庫リスクが高まり、どうしても上乗せが大きくなっていることを指摘しています。そして、価格のしわ寄せはすべて山元(山林所有者)への還元率を低くすることで全体の商流の均衡を保っているので、山元に厳しいだけで、彼らが山を持っているうまみも、管理するモチベーションもわかないのは当たり前。それゆえに盗伐や違法伐採といった被害につながるわけです。
この記事の中でも打開策は提示されていません。数万ヘクタールの山林を管理されている林業家にお話を聞きましたが、山元への還元が少ないこと、国としては豊富な林産資源を生かしたいので補助金をたくさん整備していること、その結果林業全体が完全な補助金産業に陥っており成長を目指すというよりは公的補助にぶら下がるマインドになってしまっていることを危惧していました。本記事とあわせて、改めて抜本的な需給管理、生産管理などの、ある種の工業化が求められていると感じました。「日本で豊富な資源は水と米と木」と、昔知人が言っていましたが、その言葉を改めて思い出す機会となりました。
その他のリリース系事例たち
ここからは、最近リリースされて社内でも盛り上がった界隈事例をフラッシュで紹介していきます。
オフグリッド住宅セルフビルドキット by 株式会社Vuild
RT希望】坪40万円で建てられるオフグリッドのセルフビルドキットを開発しました。つきましては記念すべき1組目のお施主さんを募集したいと思います。詳細は下記NOTEに記しましたが、もし面白そうって思われたら、是非ともご応募ください。住宅の民主化革命!https://t.co/zzZ3yhddO4 pic.twitter.com/M9A1BxNbEf
— KOKI AKIYOSHI (@aruteist) May 17, 2023
3Dプリント構造模型サービス「NOVAS」 by ラムダデジタルエンジニアリング
ラムダデジタルエンジニアリング5周年事業として、
— Naoto (@lambda0319) May 7, 2023
3Dプリント構造模型サービス「NOVAS」を立ち上げました。サービス開始前からモニター的に模型を納品させて頂きましたが、これから一般的にサービスとして提供していきますhttps://t.co/AYOAow3Fk8
「完成を思い描ける立体ノート」
がキャッチコピー pic.twitter.com/3cfyBM434W
「髙木秀太事務所白書」刊行 by 髙木秀太事務所
#髙木秀太事務所白書、出ます!
— 高木秀太|髙木秀太事務所白書 発売中📖 (@shuta0331) January 16, 2023
Amazonで予約開始です。よろしくお願いします!https://t.co/Yq8dpnuEWB
構想5年。髙木秀太事務所の本が出版されます。
僕らが建築とデジタルのフィールドで、誰のために働き、誰に助けられて来たか、「全て」が詰まった本です。自信をもって皆さまにお届けします! pic.twitter.com/dTjw0ZmC1z
▲当社もちらっと出ています♪
まとめ
今週も読んでくださりありがとうございました。中2週間開いてしまいましたが、これからも細々と続けていきたいと思います。最後に「スキ♡」を押してくださると励みになります!それではまた来週。
「今週、社内で話題になった事例」 について
株式会社アーキロイドの社内で話題になった事例(ニュース、リリース、書籍、動画、論文などなど)のうち、いくつかをご紹介します。元記事の配信時期は必ずしも今週とは限りません。数ヶ月前、数年前のものもあるかもしれません。
社外にこれを発信することで、
①アーキロイドメンバーが日々どのようなことに目を向けているのか、を知ってもらいたい。
②せっかく読んでもらえるなら有益な情報をお届けするために、自分たちの情報感度をもっと高めていきたい。
という目論見があります。
メンバーも大半が30代に差し掛かってきたので、備忘録という意味合いが一番強いかも。ご笑覧ください。
【バックナンバー】はこちら
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