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観音崎公園の戦没船員の碑(設計:吉村順三)

こんにちは!アーキロイドの福井です。
3年ほど前、姪と甥に連れられて横須賀市・観音崎公園のアスレチックの森に向かっていたら、「んんん….?」と美しい佇まいの碑に吸い込まれた。
立て看板を見ると『戦没船員の碑(設計:東京藝術大学教授 吉村順三)』と書かれていてお宝を大発見した気分になった。

(立て看板)

建築家・益子義弘さんが、東京藝大吉村順三研究室の助手の頃に担当した作品。
先日、シンポジウム「吉村順三の建築 ―アメリカと日本― 日本編」で、とても丁寧に説明してくださっていたので少し共有。

海で戦没された船員の碑は、浦賀水道の水平線(下写真)をモニュメントの中心に据えて計画が始まった。どうやって水平線に人の印象を結びつけるかを課題にして設計を進めていったそう。でも、演出的になりすぎないようにと吉村先生に諌められながら。

(碑文石からの景色)

丘に向かう階段をゲートのように絞って、水平線と出会うような全体構成。ヨットの帆が着想であったようですが、高い三角の壁を折り紙のように折って碑壁(ヒヘキ)とし、薄い壁でも強風に耐えられるようになっていった。

益子さんは、仕上げは観念的に鋭い素材で考えていたよう。
しかし吉村先生は、「ドメスティックな優しい素材で向かった方が良い。人を撥(ハ)ねつけるような素材ではなく引き寄せて水平線と結ぶ」と素材判断をしたそう。

(碑壁)

ほんの一部のシェアだったので、ぜひYouTube(期間限定配信)で。
 https://www.youtube.com/watch?v=xI0CWN35yXQ 

お越しの際は、近くのたたら浜も美しいので、ぜひぜひ〜。福井

(たたら浜)

『福井典子の家』ーあたりまえを磨く滋味深い家ー
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