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一級建築士設計製図試験の地盤条件の判断において、学科で学ぶN値の知識をしっかりリンクしよう

1.学科試験から得られるN値の知識

以下は、学科Ⅳ(構造)の問題の記述で、適当なものになります。適当である理由は、下記【参考資料】を参照して下さい。

ここで学んでいるはずのことは、設計製図試験における地盤条件から支持層を判断する材料になるはずですが、学科試験と設計製図試験が頭の中でリンクできていない現実もあるように感じています。

<平成28年>
標準貫入試験のN値が10程度の粘性土地盤は、地上6階程度の中層建築物の直接基礎の支持地盤として十分な支持力を有していると判断できる。
<平成30年>
標準貫入試験のN値が10程度の地盤の場合、許容応力度は、一般に、 砂質土地盤より粘性土地盤のほうが大きい。

建築基準法施行令第93条によれば、長期許容応力度は、密実な砂質地盤で200kN/㎡、堅い粘土質地盤で100kN/㎡とされています。

【参考資料】の通り、N値10程度の粘性土は硬い地盤となり、125kN/㎡程度と推定されます。また、N値が同じであっても、砂質土と粘性土とでは、地盤の良好状態が異なります。

2.設計製図試験における支持層の地盤条件

平成28年から30年までの3年間は、地盤条件の詳細が明示されて、支持層を判断することが求められました。以下は、各年の支持層の地盤条件になります。

<平成28年>
 N値=40以上の洪積砂礫層
<平成29年>
 砂礫層:N値45程度
<平成30年>
 N値=30の砂礫層

地上3階建てであれば、N値30以上の砂礫層を支持層と判断して基礎構造を計画してきたことになります。

支持層と言えばN値50以上と、その数値だけを独り歩きさせてしまうと、砂礫層でのN値30や粘性土でのN値10の評価を誤ることになります。

構造に限らず設備も含めて、学科試験対策を通して学んできたことを正しく理解し、有効に活かせるようにしておくことは、設計製図試験対策としても大事になってくると言えます。

【参考資料】

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