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一級建築士設計製図試験の課題発表までに、必ず取り除いておく必要がある減点要素

1.速くかく

 製図が速くかけるようになれば、その分、エスキースや計画の要点等の記述に時間を掛けることができるようになります。したがって、速くかけた方がいいかと言えば、速くかけたに越したことはないと言えます。
 ここ数年、3時間、2時間30分と、驚くほど製図時間が短縮されてきています。マラソンや駅伝の好記録には、厚底シューズの影響もあるようですが、製図時間の短縮に最新の平行定規が大きく影響しているわけではないようです。
 受講者に製図時間を尋ねたとき、4時間だという人は「4時間掛かってしまう」という言い方を往々にしてくるものです。3時間だという人は「3時間しか掛けられないと思ってかき上げる」と言います。つまり、掛かった時間が自分の製図時間であるという意識と、掛けられる時間が自分の製図時間であるという意識の違いが時間短縮の差に繋がっているように思います。
 もちろん、根性論だけで、どうにかなるものではありませんので、3時間でかき上げるための手順や道具の使い方の工夫があってのこととなります。
 2年目受験者は、今年の課題発表までには、少なくとも3時間15分以内でかき上げられるように準備しておくことが必要だと考えます。

2.正確にかく

 採点が減点法で、どこでどう減点されるのか、今一つハッキリしないものである限り、誰が見てもケチが付きそうなところは、絶対にケチを付けられないように備えておくことが重要になります。
 誰が見てもケチが付きそうなところとは、特記事項で要求されている什器やその他の図示又は記入、線の欠落等の基本的な製図の不備など、軽微なものを含めたもので、問題用紙と照らしながらチェックしていけば、受験者同士でも指摘しあえる類です。要求室の床面積の記入を求めていながら、令和元年の標準解答例では記入していない室があったりと、減点されるものとされないものの線引きが、ハッキリしません。
 したがって、ケチが付けられそうなところは、すべて潰しておくことが必要だということになります。
 正確にかくとは、製図上の不備をなくしていくことであり、問題用紙に照らして機械的、事務的にチェックすることを繰り返しながら習慣づけて、自己チェック能力を磨いていくしかありません。チェックすることも技術になりますので、意識的なトレーニングを繰り返し行っていかなければ、自己チェック能力は磨かれるものではないと言えます。

3.課題発表までに築いておくべきアドバンテージ

 1年目受験者は、速くかくレベルまでは辿り着けても、正確にかくレベルまで辿り着くのは、そう簡単ではないと思います。正確さと速さの関係は、正確さを優先すれば時間がかかるし、速さを優先すれば図面精度が落ちるというように、どうしても反比例するところがあります。
 したがって、「速く正確にかく」というのは、相当の努力する時間と図面枚数が必要になります。1年目受験者でも、正確にかく意識をもって取り組めば、「速く正確にかく」ことに近づくことは十分可能ですが、課題発表直後からこのレベルにあるなら、2年目受験者の方が有利であり、この差によって他の対策に時間を費やすこともできます。
 試験対策として、ランクⅡになる減点要素ランクⅢになる減点要素ランクⅣになる減点要素を切り分けて、それぞれを取り除いていくことが必要になります。
 「速く正確にかく」ことは、ランクⅡになる減点要素を取り除いておくことになり、これを早期に達成しておくことは優位になりますので、課題発表までにアドバンテージを築いておく必要があります。
 令和元年は、不合格者の90%以上がランクⅢとⅣであり、その影に隠れるようなランクⅡではありました。ランクⅢとⅣであった受験者が、仮にⅢやⅣになる減点要素を取り除けていたとしても、昨年ランクⅠであった確証はなく、ランクⅡであった可能性も十分あったことを頭に置くことは必要です。
 以上、2年目受験者のこととして書いてきましたが、3年目受験者は2年目受験のとき、課題発表までに上のアドバンテージを築けていたか振り返ってみて下さい。もし、築けていなかったのであれば、3年目の課題発表までにアドバンテージを築いておくことが、昨年との違いになるはずです。
 同じことを同じ調子でやっていたら同じ結果にしかならないものです。

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