一級建築士学科試験|令和2年施行の改正建築基準法施行令に新設の「空間部分」による面積区画
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一級建築士学科試験|令和2年施行の改正建築基準法施行令に新設の「空間部分」による面積区画

令和2年4月1日施行の改正建築基準法施行令--令和3年の学科試験から適用される法令--のうち、新設された令第112条第3項についての内容になります。

1.空間部分による面積区画、そして竪穴区画

<令第112条第3項>
主要構造部を耐火構造とした建築物の2以上の部分が当該建築物の吹抜きとなっている部分その他の一定の規模以上の空間が確保されている部分(以下この項において「空間部分」という。)に接する場合において、当該2以上の部分の構造が通常の火災時において相互に火熱による防火上有害な影響を及ぼさないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものである場合においては、当該2以上の部分と当該空間部分とが特定防火設備で区画されているものとみなして、第1項の規定を適用する

アトリウムなどの一定規模以上の吹抜け空間等--「空間部分」と定義された空間--を、主要構造部を耐火構造とした建築物の2以上の部分に接して設けた場合の話になります。

通常、令第112条第1項が適用される場合、『床面積の合計1,500㎡以内ごとに1時間準耐火基準に適合する準耐火構造若しくは又は特定防火設備で区画しなければならない。』とされ、原則、区画材による面積区画の必要があります。

令第112条第3項の新設により、一定規模以上の吹抜け空間等とこれに接する2以上の部分とが特定防火設備で面積区画されているものとみなすことができるようになり、区画材を設ける必要がなくなりました

とはいえ、ここで注意しておかなければならないことがあります。別途要求される竪穴区画--令第112条第11項で規定される防火区画--に対する第3項の適用に関してです。

令第112条第3項は、第1項の面積区画に対して適用するものであって、第11項の竪穴区画については、3階以上の階に居室を有する建築物に吹抜け部分がある場合、第3項の適用に左右されることなく、従来通り、吹抜け以外の部分との間を区画材で防火区画しなければなりません。ただし、令第129条の2第1項で定める全館避難安全検証法により全館避難安全性能の確認をした場合は竪穴区画は従来通り免除されることになります。

このように竪穴区画については従来通りとなりますので、全館避難安全性能の確認に併せて令第112条第3項を適用することで、竪穴区画と面積区画の両方の観点から、吹抜け部分と吹抜け以外の部分との間を区画材で防火区画しないことが可能になったということです。

2.防火上有害な影響を及ぼさない建築物の2以上の部分の構造方法の概要

防火上有害な影響を及ぼさない建築物の2以上の部分の構造方法については、令和2年国土交通省告示第522号第一号で、以下のように規定されています。告示にまで踏み込んだ出題は考え難いですが、令第112条第3項の内容を理解するためには、告示の概要をある程度押さえておく必要があると思います。

<令和2年国土交通省告示第522号第一号>
当該2以上の部分
を、次に掲げる基準に適合する特定空間部分(令第112条第3項に規定する空間部分をいい、当該部分に階段(直通階段(避難階段及び特別避難階段を除く。)を除く。)の部分(当該部分からのみ人が出入りすることのできる便所、公衆電話所その他これらに類するものを含む。)又は昇降機の昇降路の部分(当該昇降機の乗降のためのロビーの部分を含む。)がある場合においては、これらの部分を含む。以下同じ。)に接する部分(特定空間部分と床で区画されたものを除く。)とすること。

2以上の部分がそれぞれ接する特定空間部分とは--
・令第112条第3項に規定する空間部分
・直通階段を除く階段の部分(避難階段・特別避難階段は含まれる)
・乗降ロビーを含む昇降機の昇降路の部分
--を含めた部分であるということです。

そして、通常の火災時において相互に火熱による防火上有害な影響を及ぼさないように2以上の部分がそれぞれ接することとなる特定空間部分について、告示で定める主な基準--国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものの一部--を以下にあげておきます。

特定空間部分で発生する火災の規模を制限する必要があることから、特定空間部分に想定する用途は玄関ホールロビーその他これらに類するものとしています。

特定空間部分は、高さ--令第21条第2項に規定する平均の高さ--が6m以上の吹抜けとなっている部分であることとしています。

特定空間部分は、各階における水平断面が直径6m以上の円が内接することができるものであることとしています。

特定空間部分に接する部分--特定空間部分と耐火構造の床、壁又は特定防火設備で区画されたものを除いた部分--は、壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料でした廊下等であることとしています。

みなし防火区画部分--耐火構造の床、壁又は特定防火設備で区画された部分で、特定空間部分と特定防火設備で区画されているものとみなされた部分--で火災が発生した場合、同一階にある他のみなし防火区画部分への延焼を防止するため、以下の図1の通り、同一階にある2以上のみなし防火区画部分が相互に6m以上の離隔距離を確保することとしています。

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<図1>出典:R2.4.1国住指第4658号


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企業内一級建築士資格取得研修の24年間の実績。設計製図試験の与条件に対しそうであるように、「やらなければならないこと」、他「やったほうがいいこと」、「どっちでもいいこと」を見極める力が大切……勉強をしていく中で何事においても。co-師(学びあう共育者)というスタンスで発信。