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一級建築士学科試験における具体的な目標得点の重要性

1.合格基準点

平成21年以降の現行試験においては、各科目は過半の得点総得点は概ね90点程度を基本的な水準として、合格基準点を定めているとされています。総得点125点満点中、90点を取るためには、72%を正解とする必要があります。

また、各年の難易度によって合格基準点の調整もしており、総得点については最低の87点から最高の97点まで10点の開きがあります。各科目については、平成27年に一度だけ、学科Ⅱの調整がありましたが、これはイレギュラーな試みだったと考えています。総得点に加えて科目で調整されてしまうと、合格基準点の予想が複雑になり、設計製図試験対策へ進むべきかどうかの判断が難しくなります。受験者の身になれば、ここには一定の配慮は、やはり必要だと思います。

したがって、各科目の合格基準点は、通常以下の通りになり、それぞれ1点でも基準点を下回れば、不合格者になるシビアなものとなっています。
・学科Ⅰ:11点/学科Ⅱ:11点
・学科Ⅲ:16点
・学科Ⅳ:16点/学科Ⅴ:13点

2.合格といった漠然としたものでない具体的な目標得点をもつこと

「目標は合格すること」…これでは漠然とし過ぎており、具体的にどうすれば合格できるのかといった目標設定が必要です。

まずは、総得点90点以上を目標得点とすべきかと思います。合格基準点が97点だったら、90点では不合格になるじゃないか!と思うかもしれませんが、基本的な水準の問題に対し90点を目標にしておくという話になります。問題の難易度が低く、合格基準点が97点に上がるような場合には、得点しやすい問題が比較的多いことになりますので、自身の得点も目標の90点よりも高い結果が得られるはずです。

研修で模擬試験を実施する際に、科目ごとに目標得点を事前に記入してもらうようにしますが、当然、上の合格基準点以上の得点が記されています。しかしながら、模擬試験終了後に、5科目分の目標得点を合計すると、90点に満たないようなことがあります。これでは、目標が合格ではなく、不合格にあるということになってしまいます。つまり、合格したい気持ちはあっても、具体的な目標を定めていなかったことが、可視化されたことになります。

見出し画像の通り、各科目の合格基準点を合計しても67点にしかならず、目標とすべき90点には及びません。目標得点90点以上を確保するために、各科目ごとに自身の得意不得意を踏まえた目標得点を定める必要があります

さらに言えば、科目の中の出題項目ごとの目標も必要だと思います。例えば、構造30問のうち、力学6問程度中の目標得点、鉄筋コンクリート造関連(耐震や材料も含む)6問程度中の目標得点などをそれぞれ定め、これらを積み上げた結果として、構造の目標得点を定めるということです。

3.目標得点の設定方法

前述の通り、125問中90点を確保するためには、72%を正解にする必要があります。見出し画像の通り、各科目ごとに72%を正解とした場合の得点は以下のようになり、総得点92点となります。
・学科Ⅰ:15点/学科Ⅱ:15点
・学科Ⅲ:22点
・学科Ⅳ:22点/学科Ⅴ:18点

上のようにバランスよく得点することは、そう簡単ではないと思いますので、各科目の合格基準点を目標の下限値、満点を上限値として、上の科目間で得点の配分を調整し、目標得点を定めることになるかと思います。

配点の大きいところで、ごそっと得点できると90点に大きく近づきます。極端に言えば、学科ⅢとⅣで60点取れれば、残りの3科目65問中で30点取ればいいということになります。

総得点90点
を確保するためのケースを以下に想定してみます。<計画と法規が比較的得意だという場合>
・学科Ⅰ:17点/学科Ⅱ:12点
・学科Ⅲ:27点
・学科Ⅳ:20点/学科Ⅴ:14点
<構造と施工が比較的得意だという場合>
・学科Ⅰ:12点/学科Ⅱ:12点
・学科Ⅲ:20点
・学科Ⅳ:26点/学科Ⅴ:20点

上のように、自身の得意不得意を踏まえて目標設定をしてみると、意外と落とせる問題があることが可視化できると思います。

実際、学科ⅢとⅣで50点程度確保できると、90点が現実的なものとして見えてきます。残りの3科目で、62%正解すればよくなるわけですから、分が良くなることを実感できると思います。

合格基準点が97点の試験で107点取れた人が、仮に合格基準点が87点の試験で同じように107点取れるかと言えば、難しいと思います。

高い目標を定めることは悪いことではありませんが、必達の目標は願望とは違いますので、挫折せず自分が奮起できる現実的な設定であることが大事だと思います。本試験の難易度が低くなれば、目標より10点多く得点できることも、当然あるわけです。

過去の合格者の成功体験を参考にする場合においても、合格した年の合格基準点が何点であったかを踏まえて、話を聞くことも大事なことではないかと思います。


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