一級建築士学科試験…改正建築基準法が主要構造部に求める「時間」
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一級建築士学科試験…改正建築基準法が主要構造部に求める「時間」

1.主要構造部の定義

<法第2条第五号>
主要構造部
はり屋根又は階段をいい、~。

2.大規模建築物の通常火災終了時間

<法第21条第1項>
通常火災終了時間
建築物の構造、建築設備及び用途に応じて通常の火災が消火の措置により終了するまでに通常要する時間をいう。

法第21条第1項の委任を受け、通常火災終了時間が経過するまでの間、建築物の倒壊・延焼を防止するために、令第109条の5において、「大規模の建築物の主要構造部の性能に関する技術的基準」を定めています。

技術的基準の中で、通常火災終了時間内の非損傷性遮熱性遮炎性を求めています。

3.特殊建築物の特定避難時間

<令第110条第一号イ>
特定避難時間
特殊建築物の構造、建築設備及び用途に応じて当該特殊建築物に存する者の全てが当該特殊建築物から地上までの避難を終了するまでに要する時間をいう。

法第27条第1項の委任を受け、特定避難時間が経過するまでの間、建築物の倒壊・延焼を防止するために、令第110条において、「特殊建築物の主要構造部の性能に関する技術的基準」を定めています。

技術的基準の中で、特定避難時間内の非損傷性遮熱性遮炎性を求めています。

4.大規模建築物と特殊建築物に求める共通点

両者の技術的基準を比べてみると、通常火災終了時間特定避難時間という用語が違うだけで、同じ要求のされ方をしていることがわかります。

また、それぞれの技術的基準は、各第二号において、以下の通り、耐火建築物と同等の主要構造部の性能を求めている点も共通していることがわかります。
従来より、耐火構造は、火災後の耐力の低下が少なく、建築物を倒壊させない主要構造部の性能が確保できていますので、大規模建築物、特殊建築物それぞれに求める性能を満たしたものだということになります。

<令第109条の5第二号、令第110条第二号>
第107条各号又は第108条の3第1項第一号イ及びロに掲げる基準

5.それぞれの観点の目的からくる違い

建築基準法の目的は第1条で規定され、「国民の生命、健康及び財産の保護を図る」ことが掲げられています。

火災時においては、建築物を倒壊・延焼させないために、主要構造部に対して一定の性能を求めて、上の目的を達成しようとしていることになり、規模用途立地の3つの観点から主要構造部規制がなされています。

法第21条大規模建築物に対しては、規模の観点からの規制になり、周囲の建築物への加害防止のために、倒壊・内部延焼の防止を図ったものとなります。

法第27条特殊建築物に対しては、用途の観点からの規制になり、避難中の安全確保のために、倒壊・内部延焼の防止を図ったものとなります。

各観点における目的が明確に整理された結果、耐火構造という一律な仕様とは別に、それぞれの目的に応じた通常火災終了時間特定避難時間が定義され、従来と同等の安全性を確保した技術的基準が定められたことになります。


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企業内一級建築士資格取得研修の23年間の実績。設計製図試験の与条件に対しそうであるように、「やらなければならないこと」、他「やったほうがいいこと」、「どっちでもいいこと」を見極める力が大切……勉強をしていく中で何事においても。co-師(学びあう共育者)というスタンスで発信。