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令和2年一級建築士設計製図試験|高齢者介護施設の公表内容から考えること

令和2年一級建築士設計製図試験の課題名『高齢者介護施設』が公表されました。

1.類似課題

平成21年以降、昨年までの11年間で高齢者施設関連の用途は2課題出題されています。

平成23年
介護老人保健施設
(通所リハビリテーションのある地上5階建ての施設である。)
<要求図面>
・1階平面図兼配置図
・2階平面図
・基準階平面図
・断面図
・2階梁伏図
平成27年
市街地に建つデイサービス付き高齢者向け集合住宅
(基礎免震構造を採用した建築物である。)

<要求図面>
・1階平面図兼配置図
・2階平面図
・基準階平面図
・断面図

2.謎を残した平面図の数

『各階平面図については、試験問題中に示す設計条件等において指定します。』とあり、平面図の数が明らかにされていないことが、令和2年の課題名公表時の特徴の一つです。

平成22年と平成29年に、断面図を除く要求図面の数をぼやかしたイレギュラーな公表がありましたが、今年のような公表内容は初めてになります。

蓋を開けてみないとわからない点は、平成20年までの旧試験の公表内容に戻した感があるように思います。

3.考えられる階数とそれに伴う平面図の数

類似課題である平成23年、平成27年とも、地上5階建ての基準階型の建築物となっています。

平成元年以降を見ても、地下1階、地上7階建てというのが最も階数の多いものとなりますが、これはA2サイズの答案用紙の制約によるものと考えられます。

梁伏図を要求しなくなった平成27年以降は、例年平面図は3面要求されてきています。作図量の負荷を考慮して、今年も3面だとすると、以下のケースが考えられます。
①1階平面図・配置図、2階平面図、3階平面図
②1階平面図・配置図、2階平面図、基準階平面図

①の場合は地上3階建て、②の場合は地上4~7階建てが考えられます。平成元年以降を見ると、基準階型は、5階建て又は7階建てに限られ、4や6といった階数で出題されたことはありません。

4.基準階型で陥る危険

階数が明らかでない以上、これから3~7階建てを想定した課題でトレーニングしていくことになると思います。

人の記憶は気まぐれなところがあり、リセットしたいことが頭に残ってしまうことがあります。5階建ての課題なのに、直前にやった6階建ての記憶が都合悪く残っていて、6階建てとして計画を進めてしまえば、床面積の合計の調整で後で大工事をしなければならなくなります。

4階建ての課題なのに、一番多く描いている5階建てで断面図を描いてしまったりと、昨年、起こり得なかったことをやってしまうこともないとは言えません。

エスキース開始時、エスキース終了時など、上のようなミスをしないチェックポイントを定め、そのチェックを習慣づけていくことが大事になってくると思います。


以下より過去の課題一覧表を参照して下さい。

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企業内一級建築士資格取得研修の23年間の実績。前提となる基礎知識を積み上げながら、⾃分がわかりたいところまで辿り着くことが理解。減点要素となり得る問題点のうち、回避すべきものと許容できるものを取捨選択していくことが判断。co-師(学びあう共育者)というスタンスで発信します。