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一級建築士設計製図試験における身の丈にあった計画を志向することの意義

 一種独特な重圧がかかる中、緊張感走る6時間30分の制限時間は、物理的には長いと言えますが、受験者の体感としては決して余裕があるものではないと思います。
 時間は限られ、不測の事態が生じることもあるのが試験であり、時間内にできることとできないことの見極めは、その都度その都度の状況で違ってくるものと思います。
 出題者の意向を無視せず、出題者に対する忖度をせず身の丈にあった計画を志向することが、合格するためには必要ではないかと思っています。
 「こうすべきだ」という過度な『べき論の徹底』を指導された結果、そのべき論が常に頭をよぎれば、設計与条件で要求されていないことまで全てをやり切ろうと無理を重ねてしまうものです。その結果、プランが破綻してしまうことにも繋がりかねません。
 設計与条件や法令上「やらなければならないこと」、他「やったほうがいいこと」「どうでもいいこと」を見極め、6時間30分の中で、自分がやり切れることを取捨選択した結果が『身の丈にあった計画』ということになります。
 『身の丈にあった計画』には、『べき論の徹底』と対峙する『多様性の許容』を意識した判断のトレーニングが必要になります。多様性の許容とは、根拠の希薄なべき論に縛られず、プラン全体のまとまりを確保することを優先して、ケースバイケースで実現することの選択をしていくことになります。
 
 以下、「見出し画像」と照らして読んでみて下さい。

1.不合格者のタイプ

タイプA 
 実力はあっても複雑な計画を志向してしまいエスキース時間が不足
タイプB
 実力に見合わない複雑な計画を志向してしまいプランが破綻

2.不合格者の問題点

①エスキースに時間がかかり過ぎる
②そのため、
 ・エスキースが中途半端に終わる
 ・製図にかけられる時間が不足する
③結果、
 ・志向した計画の実現度が低くなる
 ・作図上の不備が多くなる

3.解決策

①エスキース時間を短縮する
②そのためには、
 ・身の丈にあった計画を志向する
③結果、
 ・志向した計画の実現度が高くなる
 ・作図上の不備が少なくなる

 「身の程知らず」という言葉がありますが、欲張り過ぎて自分のキャパを超えてしまうと、失うことも多くなるものです。
 実現できることをより多くするためには、複雑にならないようシンプルな計画を志向することが必要ではないかと考えます。シンプルな計画とは、やらなければならないこと、できることを絞り込み、プラン全体のまとまりを確保することになります。


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企業内一級建築士資格取得研修の23年間の実績。理解するとは、前提知識を積み上げながら⾃分が理解したいことに辿り着くこと。⾃分で考え、判断するといった受講者の⾃主性を引き出し、双⽅向からのコミュニケーションの流れを同等にしていく役割を担うのが「co-師」……というスタンスで発信