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化学ヲタがカプセルトイ作るとこうなるって話

6月中旬,化学コミュニティ「ARchemisT」はサイエンスバーFRACTAL内にてカプセルトイ「分子博物館」を数量限定で販売します.「すごい分子〜世界は六角形でできている〜」等の著書で有名なサイエンスライターの佐藤健太郎氏が監修の化学オタクによる化学オタクのためのカプセルトイです.


話しは遡ること昨年9月,「ガチャって何か分かんないけどワクワクするよね!」っていう他愛もない会話をきっかけに,化学を愛するオタクたちが群がって,真剣にカプセルトイ作り始めたって話をお届けします.

通常,ガチャの中身ってキャラクターだったり,食べ物とかグッズのミニチュアだったりして,一見して「ほしいっ!」ってなる分かりやすいものがラインナップされているわけです.ところが化学ヲタはそういう共感性とかガン無視で「分子入れたいね!」って言い出すわけだ...「むりだよー,それは奇をてらった意外性とか通り越して無理...」と企画者泣かせなことを平気で放り込んでくる.

化学者が執着している“分子”とは,「水:H2O」や「二酸化炭素:CO2」のような,原子のパズルで組み合わされる構造体のことで,球(原子:水素,炭素,酸素など)と棒(化学結合)で表現されることが多い.この手の話は,中学校の理科の授業や高校で化学を選択した人は分かるかもしれないが,基本的には教科書に書いてあって,「あーそうなんですね.」と理解は出来ても,「そうなんだ楽しい!!!!」とはなりにくい.もしなっていたとしたら,その方は既にあちら側なのでヲタたちが諸手を挙げて歓迎してくれよう.

ここで化学ヲタたちは思い知らされるのである.化学物質を構成する原子や分子はヒトの目には見えず,めちゃくちゃ取っ付きにくいものなのである.“化学物質”と聞けば,「ナニソレ?毒物?」といったネガティブイメージを抱かれるのが常であって,「僕たちの生活を豊かにしてきたのも化学が発展して物質を有効利用できるようになってきたからなのに!」という化学者の思いも無残に消し飛ぶ.言いたいことも言えないこんな世の中じゃpoison状態なのだ.

T.M.◯evolutionばりの逆風が吹き荒れることなど意にも介さず,化学ヲタたちは相変わらずガチャの中に分子を入れることを止めようとしない.彼らは脳ミソから指先まで分子のことでいっぱいで,企画となれば超絶マニアックな方向へ暴走していくのだ.
ここで一人の真人間が救いの手を差し伸べる–––

「これって教育コンテンツになりませんか?」

そして彼はこう続けた.「分子とか目に見えないんだったら,見えるようになったら良いですよね,分かりやすいし.触れるっていうのも五感を刺激できて面白いですよ.中に入れる紙に分子のありがたみとか書いたらいいと思います.」(ありがとう救世主!!!!そういう三度の飯よりキムワイプみたいのじゃない発言待ってたよ!)

ということで,できたのがこちら.

カプセルトイ「分子博物館」

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第一弾のテーマは「ノーベル賞」に纏わる分子たちだ.
これまでの科学史において,研究領域の爆発的な活性化に繋がった分子たちが勢揃いとなっている.私たちの体を構成するための生態コード「DNA」であったり, その幾何学から自然の不思議を感じるサッカーボール型分子「フラーレン」などなど.化学を専門としない人たちにも馴染みやすいラインナップになっている.

カプセル内部の紙には,その化合物に纏わるストーリーや発見の裏話が織り込まれている.短文の中にも,分かりやすくユーモアのある文章で綴られている.化学業界では知らぬ人はいないサイエンスライターの佐藤健太郎氏による監修だ.

gacha中の紙

「カプセルトイ「分子博物館」は,リアルとオンラインを繋ぐ触媒にもなる.」そう語る化学ヲタたち.

インターネットの普及とここ最近のコロナウイルスの影響で,急激なwebツール活用の推進が行われている.オンラインで片付く仕事が再認識され,一方でリアルな場が存在することの意味を再定義することが問われるだろう.会社の業務やエンタメイベントもさることながら,化学ヲタたちが集うアカデミアの聖地「学会」でもその問は突き刺さる.最新の研究動向を調査するために赴く側面が強かった学会も,インターネットによって情報の拡散速度は爆速になった.一部の学会もオンラインで開催されるようになったこの状況下で,では一体リアルイベントには何を求めるだろうか.人との交流も欠かせないものだが,もっと重要なのはwebやオンライン交流で得た情報をいかにリアルと結びつけるかである.仮にこの「分子博物館」を学術イベントに放り込んだとしよう.「このあいだ電子ジャーナルで見たお前の分子,ガチャで出てきたぜ.」なんてことが出来たら,科学コミュニケーションの活性化に繋がるのではないだろうか.

カプセルトイ「分子博物館」は,6月中旬から数量限定でサイエンスバーFRACTALに設置予定.

制作・監修:ARchemisT

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