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超コンパクトなフォトグラメトリ用カメラを開発してみた【FacTrans】

フォトグラメトリ用の写真撮影って大変じゃないですか?
撮影のために、対象の周りをグルグル回ったり、対象をターンテーブルに乗せて回したりした経験はありませんか?
それ以外にも、照明や背景のセッティングをしたり、撮影条件の調整をしたりと、何かと手間がかかるのがフォトグラメトリの写真撮影です。
今回、こうした手間をできるだけ自動化し、初心者でも手軽にフォトグラメトリを試せるカメラを新たに開発したので紹介します。
このカメラを使えば、わずか3分で100枚近くの良質なフォトグラメトリ用写真が撮影できちゃいます。

1.外観

以前のFacTransBasicから設計を大幅に変更し、コンパクトかつ、スタンドアロン動作が可能な設計にしました。
テーブルは着脱式、カメラ部分は折り畳みにしたことで筐体サイズは180mmx100mmx50mmとなりました。(手のひらサイズです)

2.機能

カメラの角度とテーブルが前後に可動するので、撮影対象のサイズによって柔軟に位置調整できます。10㎝未満のものであれば画角に入ります。
ターンテーブルは撮影と連動して、自動で回転します。

また、カラーLCDを搭載しているので、カメラの画角をリアルタイムでチェックでき、GUIによる撮影パラメータの変更も可能です。

スタンドアロン動作時の撮影データはUSBメモリへ保存されるため、PCがなくても撮影ができます。(wi-fiを介してPCから制御するモードも用意しています。)
電源はmicro-USBで給電するので、モバイルバッテリーなどでも動作可能です。

FacTransBasic同様、外光が入らない場所での撮影を想定しているため、照明LEDとUVLEDを搭載しています。
カメラはオートフォーカス機能のついた16MPのカメラを搭載しています。

3.撮影サンプル

以下が実際に撮影した写真です。
※スキャン対象には、予め紫外線照射で発光する特殊なスプレーを吹いてあります。

通常光源での撮影
UVLED光源での撮影
写真はフォルダ分けされているのでデータ整理が不要

撮影した96枚の写真をRealityCaptureに読ませて3Dデータ化してみました。
UVLED光源で撮影した写真を使うことで、多くの特徴点が得られるとともに、黒い背景で自然とマスクされるため、余計なゴミデータがほとんど生成されません。

テクスチャは通常光源の写真から生成します

ICや10円玉など、かなり小さいものも試してみましたが、写真が綺麗に撮れているため、フォトグラメトリによる3Dデータも綺麗にできます。

4.今後について

現在ソフトウェアとハードウェアの改良を進めています。何らかの形で製品化へつなげたいと考えておりますので、今後にご期待ください。
質問などあればお気軽にコメントください。
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