読書感想文(104)瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』

はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は現在映画をやっている有名な作品です。本屋大賞も受賞していますし、知っている方も多いのではないでしょうか?
映画はもうすぐ公開から2ヶ月になるので、そろそろ終わりかもしれません。

この本は結構前に買ったのですが、ずっと積読になっていました。
その後読書会でも紹介され、読まないとなーと思っていましたが、やっと読みました。

感想

自分にもし娘ができたら、色々と悩むんだろうな〜〜と思いました。
「お父さん、うざい」と言われて悲しむのが容易に想像できます。
絶対理屈っぽくなっちゃうもんな〜。
まあ今考えても仕方がありませんが、もし子供が生まれたらまたこの本を読み返したいと思います。

私は子育てについて考えることがしばしばありますが、やっぱり実際に経験してみないとわからんよなぁといつも思います。
しかし子育て観は色々な所で触れる機会があり、この本でもいいなと思う考えがあったので紹介します。

自分の明日と、自分よりたくさんの可能性と未来を含んだ明日が、やってくるんだって。親になるって、未来が二倍以上になることだよって。明日が二つになるなんて、すごいと思わない?

そうか、子供と一緒に生きることって、人生が二倍以上になることなんだ、と思いました。それを踏まえると、やっぱり子供が大きくなって離れていくことはなかなか精神的に来る所があるのかもしれません。だって、逆に言えば人生が半分以下になってしまうから。
そういえば、木皿泉『さざなみのよる』でも、主人公の妹が似たような事を考えていた気がします。この子の為に生きられたら、自分の人生はそれで十分、というような。ちょっと違う気もしますが、自分より子供の人生に重きを置いているのは共通していると思います。
親ってそういうものなんでしょうか。でも、最近よく聞く「自分の人生を生きよう」というのとは、やっぱり違う気がします。

自分のために生きるって難しいよな。何をしたら自分が満たされるかさえわからないんだから。金や勉強や仕事や恋や、どれも正解のようで、どれもどこか違う。でもさ、優子ちゃんが笑顔を見せてくれるだけで、こうやって育っていく姿を見るだけで、十分だって思える。これが俺の手にしたかったものなんだって。

こちらの方がさっき思い出した『さざなみのよる』の話に近いかもしれませんね笑。ただ、ここで思ったのはまた別のことです。
まず最初の一文に深く共感しました。自分のために生きるって、難しいなと思います。勿論、「他人の為に何かしたい」というのも、その欲を満たすという点では自分の為なのですが。
そして、主人公の現在の父親(このセリフを言っている人物)は「恋」を「自分の為」に含めているのですが、ここは自分と違う所だなと思いました。「優子ちゃん」は娘のことですが、私はここに恋人の名前が入るような恋愛が理想です(「育っていく」は少し変ですが笑)。
ただ、こうやって改めて書いてみると、子育てと恋愛の違いは義務や責任というものがあるなぁと思いました。
恋人を育てるという表現が不適切な一方、子供を育てるという表現は適切です。この違いをどう捉えればよいのか、少し考えてみましたが上手くまとまりませんでした。頭の片隅に入れておいて、また改めて考えたいと思います。

最後に、色々な人物が出てきてそれぞれ良い所がありますが、森宮さんが特に良いキャラしてんな〜と思いました笑。
見ていて微笑ましいというか笑。
娘の友達が来ている時に部屋に行くのは絶対嫌がられるよなぁと思いますが笑。
でも料理ができるのっていいなぁとも思います。ちょっとズレてるけど笑。

おわりに

今日映画に行こうかなーと思っていましたが、結局行きませんでした。
石原さとみが梨花さんをどう演じるのかは少し気になります。
また機会があればアマゾンプライムなどで観てみようと思います。

ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?