読書感想文(88)J.K.ローリング作、松岡佑子訳『ハリーポッターと死の秘宝 7-Ⅲ』

はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は遂にハリーポッターの完結編です。
読み終えた今、達成感のようなもので満ちています。

感想

ついに長い旅が終わったなぁという感じです。
本当に色々とあったなぁと思います。
良いことも、悪いことも……。

今回は最終巻なので色々と繋がったわけですが、その展開の論理はまるでミステリー小説のようでした。
今でもわかったようなわからなかったような理解ですが、魔法の中でも最も神秘的な部分なので、まあそういうものなのでしょう。
その他、これまでの巻の様々な要素が出てきて、なんとなく懐かしいような気持ちにもなりました。特に印象的だったのは、ネビルがグリフィンドールの剣を取り出した時です。この物語の序盤では全く想像できなかったほど、勇気あるグリフィンドール生となりました。

最終章である「19年後」ではタイトル通り後日談が描かれます。結婚相手や子どもたち、そして職業など、色々と楽しい要素があります。
平和で穏やかな雰囲気であり、戦いが終わったのだなぁと実感します。
一方で、この平和な魔法界を見れなかった人達も大勢いたことも実感します。戦争を経験したハリーやその仲間たちも明るく過ごしていますが、大切な人達を失っています。
思えば、「賢者の石」の頃は多くの大人がこのような立場だったのではないでしょうか。ヴォルデモートが世界を脅かしていた頃、多くの人が犠牲になりました。しかしハリーの一件によって、ヴォルデモートは世界から姿を消し、ある程度平和な世界が戻ってきました。
「炎のゴブレット」で初めてヴォルデモートによる死者が出て以来、どんどん暗い雰囲気が増してきましたが、「アズカバンの囚人」までは比較的冒険的で楽しい雰囲気が強かったように思います。
大人が過去に暗い闇を抱えていようとも、それを知らない子どもたちは無邪気に生きています。そして恐らく、そんな闇はできることなら見せることにならない方が良いでしょう。

ここまで考えてみると、現実にも通じるところがあるなと思います。
現在では、第二次世界大戦を経験した人々はどんどんいなくなりつつあります。しかしそのような悲惨な戦争は、できれば二度と起こらない方が良いでしょう。
日本は現在戦争状態にありませんが、世界各地では色んなところで血が流れています。そうした悲惨な出来事も、早く収束し、できるだけ多くの人が早く平和を享受できれば良いと思います。

一方で、そのような悲惨な出来事があったことを忘れ去ってしまうことも良いとは思えません。だから歴史を勉強することが大切なのだと思います。
ただし人類の歴史は結構長いですし、生物や宇宙の歴史となるとさらに長いです。だから一人一人の人間が全員全ての歴史を把握するというのは難しいでしょう。
よって大切なのは、誰もが歴史を学ぶことができる環境と、できるだけ多くの人ができるだけ多くの歴史を知っていること、ではないでしょうか。

学校の勉強なんて意味がないという人は、自分一人の為の教育でないという事を俯瞰して、自分が学びたい事を学んでほしいと思います。
ちなみに付け加えれば、ハリーポッターを読んで、歴史の大切さに思いを馳せることができたのは国語教育の賜物だと思います。
勿論それぞれが学ぶ環境にもよりますが、すぐに役に立たなくとも、いつか思わぬ形で役に立つことというのはよくあるものです。
ホームズは探偵にとって無駄な知識は無いと言っていましたが、人間にとって無駄な知識は無いと私は思います。
少なくともその知識を無駄だと判断するには、それ以外の知識が膨大過ぎるのです。
いわゆる「役に立つ知識」というのは、現在役に立つ或いは役に立っていると多くの人が思っている知識に過ぎないと思います。
今を大切にするのも大事ですし、今に追われている人が多くいるのもわかります。でも必ずしも今に囚われる必要はなくて、もっと長期的な視野で見る人が増えてもいいんじゃないかなぁと思います。

久しぶりによくわからない脱線をすることができたので、今回はこの辺りで終わっておこうと思います笑。

おわりに

noteも「おわりに」となり、遂に本当に終わるなぁという気持ちです。
ただし、ハリーポッター関連書籍を実はあと3冊買っているので、それも読んでまたnoteに感想を書き留めたいと思います。

ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。

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