読書感想文(137)草薙奈津子『カラー版 日本画の歴史 近代篇 狩野派の崩壊から院展・官展の隆盛まで』
はじめに
こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。
最近小説が続いているなぁと思ったので、新書を読んでみました。
日本画はほとんど知識が無いので、まずは新書から、と思ってだいぶ前に買った気がします。
感想
思っていたよりも難しかったです。
特に序盤は南画と浮世絵の話から始まるのですが、知らない人の名前がたくさん出てきて、それぞれの生い立ちや特徴が描かれるので、なかなか頭に入ってきませんでした。南画が沢山あるけれどあまり質が良くなく、美術界では評価されなかったという話と、それでも庶民には人気だったという話だけぼんやりと覚えています。
もう一つ気になったのが、作品の写真が少ないことです。少ないというか、代表作について細かく説明されているのに、他の作品が載っていたりして、わざわざ調べるのがちょっとストレスでした。新書なので仕方ないところはあるのですが、文章と写真をもう少し合わせることはできるのではないかと思いました。もしかしたら、有名な作品はネットで調べてもすぐ出てくるから、それ以外のものを載せようという意図だったのかもしれませんが、その辺りはわかりません。
これは今後日本画を鑑賞する時のために頭に入れておいた方がいいかなと思いました。
これ故にフェノロサや岡倉天心が日本画の近代化を目指した時に、思想や精神を描くのが難しく、歴史をテーマとしたものが多かったり、院展(?)でテーマに沿って絵を描くようにしたりしたという話もあったと思います。
これは日本における初の体系的美術であり、また極端な西洋崇拝の反動として起こりつつあった国粋主義的動きと合致し、影響が大きかったそうです。
これも日本画を鑑賞する時に参考になるかなと思いました。
フェノロサは文人画の妙想は文学のものであり、絵画の妙想ではないとして排斥したそうです。
これは西洋で芸術の純粋化を目指し、フォーマリズムなどが生まれたのに似ているのかなぁも思いました。
これは今村紫紅の言葉です。
いいなと思いました。
おこがましいことは承知ですが、自分を重ねて考えてみたりしました。
何か既存の枠組みがあって、こういう点を変えるとどうだろう?と提案します。そこから自分に合ったもの選んで、その方向を引き伸ばしてほしい、そんなことを思ったりします。
おわりに
ちょっと薄い感想になってしまいましたが、日本画についてまだまだ知識が浅いので仕方がありません。少しずつ親しんでいけたらと思います。
この本は沢山の画家出てきたので、特別展などがあった時に辞書的な使い方ができそうだなと思いました。
ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。
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