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ランダムで、切なくて、おもしろい。:短歌と絵画〜モノカキ、モノカケルVol.3 w/小谷あすか、nemurieye〜

僕の大好きな「モノカキ」のみなさんと「モノ・コト」を「カケ」合わせて、「楽しい」をお届けする新企画、「モノカキ、モノカケル」。

第3回となる今回は、僕とnemurieyeさん合作の「起承転結の4首からなる物語短歌」を元に、多くのアーティストのアートワークを手掛け、その作品が多方面から評価されているイラストレーター、小谷あすかさんに一枚絵を描いて頂くという企画をお届け!

もともとnemurieyeさんと企画を考える段階で、「上の句、下の句をそれぞれ別けて詠んでみたい」、「4首組み合わせて物語になるものを詠んでみたい」といったアイデアは出ていて、第一回の内容とは別にやろうと考えていました。

ですがそこでプロデューサー新井は思ってしまったのです、

「物語短歌で小谷あすかに絵を描いてもらうの,めちゃめちゃ面白そうじゃない?」と。

そこで早速話を持ちかけてみたところ、「面白そう!」と快く承諾してくれて。今回の企画が実現したのでした。

短歌を詠むにあたって、絵を描いてもらうにあたって、3人それぞれが思い描いている物語について共有はしていません。

それぞれが思うように、それぞれの思うがままに綴った結果何ができたのか?

あなたも思うがまま感じ取って完成です。それではご覧ください!


上の句:新井 怜 下の句:nemurieye


起:間違った手の揚げ方をしてしまう。たゆたう方舟 (船員一名)


承:頼むから休み時間にならないで 針が笑って こっちを見てる 

転:君と僕「もしもしかめよかめさんよ」結んで開く思考 「畏怖・if」

 結:周りの目気にしてる君「制服で来なきゃ良いのに。」こぼれた気泡




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上の句:nemurieye 下の句:新井 怜

(副題:「ディナータイム」)


起:瞬きの隙間で消えるラストワン 等間隔の被疑者は5人 

承:右で惹き左できみに刺すフォーク 嘘とアリバイ 無くて七癖 

転:第三者 触れる前髪 超理論「犯人はあな...」 最後まで聞け 

結:「だってこれ好きなんだもん」照れ笑い 人の大義を言い訳と呼ぶ




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編集後期

いかがだったでしょうか?

第一回でも言及しましたが、僕の短歌が「少ない字数でいかに全部言うか」なのに対して、nemurieyeさんの短歌はモチーフやキーワードの持ち出し方が綺麗かつ、受け取り手がいろんなことを想像できる余白があるんですよね。

その対比的な筆致が、シチュエーションの具体性と物語のドラマチックさそれぞれに影響しあっていて、こうしてみると味わい深い短歌になったなと思います。

そして特に一つ目、「畏怖・if」「箱舟」といったモチーフは、僕とnemurieyeさんが共通して好きなバンドBaseBallBearの歌詞に登場するもので、下の句が送られてきたとき、「お!」っとニヤニヤせずにはいられませんでした。

それもあってか、自然と「教室」というシチュエーションはうかんできて。ベボベと「学校」だったり「中高生時代」というのは自分の中ですごく近しいところにあるんですよね。思い出的な意味でも、歌詞の筆致的な意味でも。

そんな舞台を妄想しつつ「(スクールカースト的に)身分不相応な恋」をイメージしたのが一つ目。

2つ目は逆に、「ちょっとやりづらいかな?」と思いつつも「思い切り物語然とした下の句」をなげてみようと試みました。いかにも探偵もの、と取ることのできるような4つ。ただ、自分なりに緩急はつけたつもりです。

こちらはもう、ほんとに自由にいくらでも解釈のしようがあるものになったんじゃないかなと思います。

個人的に“転“の句の「触れる前髪 超理論」というところがつんくっぽさというか、ハロプロっぽさというか、「え、なんかちょっと飛躍してない?」という思いが違和感を誘う感じで好きです。

そして、本当に素晴らしいとしか言いようのない小谷あすか氏の絵。

各作品に象徴的に出てくるモチーフを登場させつつ、さらに何か文字では伝えようのない心象風景がたった一枚の絵の中に納められていて、到底自分にはできないし、持ち合わせていない能力だなと思いました。

1枚目のここ好きポイントは、おぼろげで、今にも崩れそうななんとも言えない女の子の手と、「揺蕩う」という言葉が似合う水の質感。

そして吸い込まれるような色味の瞳。その部分にまずは文字通り目を惹かれ、見入ってしまう一枚だなと思います。

2枚目のここ好きポイントは、後ろにいる方の世話焼きっぽい女の子。アニメだったら絶対推しになると思う。不憫だけど憎めないキャラな気がする。

さらにぼうっと浮かぶ禍々しい人影と、本人曰く「トマトもどき」達が鮮やかなテーブルの上の対比。こちらは一粒で2度美味しいというか、いろんなところに注目して楽しめる一枚だなと思います。

と、いうことで新井の感想はこれぐらいにしておいて、ここからはもう一度それぞれの短歌・絵画に戻って、皆さんが妄想を膨らませる時間。

なかなか旅行や遠出、ともいかないこのご時世、自分だけの物語に想いを馳せるのも、なかなか粋な時間の使い方じゃないですか?

それでは。



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また、「モノカキ、モノカケル」は企画の総PV4000達成で第二弾制作を目標に掲げています。よろしければ記事の拡散をよろしくお願いします。

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