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758スクラップブック コラム集

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新聞記者が歩いて、見て、感じたことをコラム調に配信します。「ふと思い出しました」のフレーズで、昔の取材経験を織り込みながら、地域経済や文化の「今」をスケッチする「歩きメディア」で…
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2021年12月の記事一覧

荒川修作さん直筆のファクス~墓碑銘が載る時期に思い出すこと

荒川修作さん直筆のファクス~墓碑銘が載る時期に思い出すこと

 新聞各紙に今年亡くなった方々の名前や業績が載るみそか(三十日)になりました。この時期になると、2010年5月に73歳で亡くなった現代美術作家の荒川修作さん(1936~2010)のことを思い出します。その年の暮れのある新聞紙面に「世界のアラカワ」の名前がなかったからです。
 荒川さんは名古屋市出身で、1961年に渡米。記号や文字を配列した観念的な作品で知られています。その後、パートナーの詩人マドリ

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世界の民族人形たち~名古屋で見つけた「リトルワールド」

世界の民族人形たち~名古屋で見つけた「リトルワールド」

 世界の国々の人形を集めた展示会「マイコレクション(3)世界の民族人形たち」が名古屋市中区役所地下の「栄四郵便局」で開かれています。
 収集したのは愛知県日進市在住の川田きし江さんと子息の敏章さん。きし江さんは、絵と文で世界の文化を紹介した「地球スケッチ紀行」を4冊刊行しています。これまで世界各地を旅したなかで、今回は約30か国で出会った人形を展示しています。「それぞれの民族の歴史や文化、気候風土

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レフレフメアメアレナニレハ~ラジオの魅力

レフレフメアメアレナニレハ~ラジオの魅力

 「レフレフメアメアレナニレハ」という呪文が、効果的でした。
 名古屋市東区の東海ラジオ放送で12月10日、第50回高等学校ラジオ作品コンクールの表彰式がありました。番組制作部門(課題ドラマ)で最優秀賞に選ばれたのは、鳥取県立米子工業高校の坂口明日香さんの作品です。
 劇作家で審査委員の鹿目由紀さんが途中まで書いた脚本に、高校生が自由な発想でストーリーを肉付けして10分間のラジオドラマを完成させま

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新聞の地域版で巡る小さな旅

新聞の地域版で巡る小さな旅

 終息するかと思えば、また息を吹き返す。なかなか厄介なウイルスです。
 旅心をかき立てられていたとき、オミクロン株の出現で出鼻をくじかれました。
 それならばと、購読している新聞のオンライン紙面で各地の地域版を見て、旅の気分に浸ることにしました。
 まずは、ふるさと信州から。「藤村ゆかり『揚羽屋』復活」(12月5日)という記事が目に飛び込んできました。
 揚羽屋は小諸市にある食事処で、島崎藤村の「

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