【後輩たちよ、同じ失敗をするな】旅サービス立ち上げでやったこと

こんにちは、子育てと仕事にダブルコミットをしています。KAENのArashiです。

昨年10月に旅の記録アプリ『Packer』を事業譲渡しましたが、失敗の連続でした。どんなことをやったのかをよく聞かれるので、プロダクト開発・資金繰り・ユーザーの集め方・反省を覚えている範囲で雑多にまとめたいと思います。

同じ失敗をするな。と書きながらも同じ失敗するだろうなーと思います。僕も先輩たちの失敗事例を勉強しながらやってましたが、同じ失敗をしました。そういうものです。でも、知ってるのと知らないのでは大きな差だと思うので、「へぇーこんなことやったんだー」くらいの気持ちで見てください

プロダクト開発

プロダクト開発において『小さく早く検証する』ことが鉄則とされています。MVP・MVPとよく言われますが、MVPとは、顧客のニーズを満たす最小限のプロダクトを指します。

小さければいいって話ではない

『顧客のニーズを満たす最小限のプロダクト』

これは、サービスによって最小限は異なります。SNS的なサービスでは、X・Instagramをはじめとしリッチなサービスを使っていることもあり、非常に目が肥えています。デザイン含め、ダサいなって思われたら本当に使われません。そもそもスタート地点に立てないのです。

最初のラフ

初期の検証

  1. Figmaでモック・プロトタイプを作る

  2. ユーザーテスト

  3. Figmaを修正する

  4. ユーザーテスト

モックとユーザーテストと同時に、ユーザーインタビューも行っており知り合いの旅人やInstagramで旅の投稿をしている人にDMを送り20人ほどお話しさせてもらいました。(ベータ版リリース後などを合わせると100名以上インタビューしたと思います)

今のFigmaならもっとやれるかもしれませんが、手触り感がわかりづらすぎて、全くユーザーテストになりませんでした。いまなら、まずアプリを作ると思います。

アプリかWebか

一概には言えませんが、アプリは難しいです。考慮すべき点が様々ありますし、ダウンロードハードルも非常に高い。改善するときもAppleの審査がありますし、PDCAをすぐに回せません。

旅記録サービスだったので、友達やSNSでシェアしたい場面もあったと思いますが、ダウンロードしてからじゃないと見れないので、今だったらWebでやるかもなーと思います。

技術選定

インフラ・フロントエンド・バックエンドなどなど考えることは様々ですが、CTOに任せていました。結果論ですが、CTOが途中で退任することになったため、採用に苦戦することになりました。

それらの技術を扱える人が世の中にどれだけ多いのかを考えたらよかったなーと思っています。誰かが作ったものを次の人がキャッチアップするのは、初期から作るよりもハードルが高く、採用後も非常に苦戦しました。

試行錯誤して、ベータ版から1年かかり、正式リリースしました。

資金繰りと資本政策

貯金と融資で400万円くらいありました。資本政策は後戻りできません。後半はお金がなくなり、だいぶ疲弊しました。

よく考えて、非常に慎重になる必要がある

スタートアップ企業では、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルから投資してもらうことが主流になってきていますが、どうすべきかはよく考えた方がいいです。僕は投資は受けず、融資を選択しましたが果たして正解だったのかはわかりません。(ただ、気軽に投資を受けることは、絶対にやめた方がいいです。誰も幸せになりません。)

コンシューマー向けサービスは、時間とお金がかかります。旅行サービスはユーザー数が大事です。400万円程度で、自分たちの生きていくお金とプロダクト開発・マーケティングなどを考えると一瞬です。自分が作るサービス・市場はどういう戦いになるのかを理解し、資本政策を考えた方が良いです。

ランウェイはどれくらい?というワードが出てきたりしますが、企業がキャッシュ不足に陥るまでの残存期間(月数)を指します。

事業計画は大事

机上の空論になりがちですが、大事です。いつまでにどれくらい使えるのか、何に使うのか。そもそも何に使った方がいいのかは、最大限考えるべきです。

お金がなくなって、プロダクト開発に十分な資金を使うことができなくなったため、本当にお金は大事です。

ユーザーの集め方

いろいろやりました。笑

初期ユーザーをどうやって集めた?

まずは、知り合いみんなに声をかけました。こんなにも人に連絡をしたのは初めてです。

Instagramアカウントを作成

そもそもアプリを作りたかったわけではなく、『世界中の人たちと視野を広げる』ことをミッションに掲げていたので、いろいろな世界を紹介するという意味合いでも運用を頑張っていました。

ゲリラ戦法

各大学用にInstagramアカウントを作りました。packer_toyo・packer-wasedaみたいな感じです。そして、該当大学の方々を片っ端からフォローしていきました。

知り合いに連絡とSNSで、500ユーザーくらい集まりました。

どうやってユーザーを増やした?

流入経路はいくつかありますが、SNS・口コミ・チラシ・メディア・パーカーです。

チラシ

ゲストハウスや観光案内所など旅人がきそうなところを巡り、チラシを置いてもらいました。感謝です!

後輩に作ってもらいました

自分

仕事に行くまでの移動などもったいなくないか?と思って、背中にQRコードがついたパーカーをきて出勤しました。200ユーザーくらい増えました。笑

メディア

現状は、クローズしていますがメディアを運営していました。意図はいろいろありますが、マーケティング的な側面で言うと旅界隈に認知のあるインフルエンサーに使ってもらう。拡散してもらうためです。

Twitterで面白い旅の投稿をしている方や僕が興味がある方々に声をかけさせていただき、インタビュー記事を作成しました。

その記事を拡散いただけるため、記事きっかけでアプリも認知していただきダウンロードにつながりました。

反省

一人でいろいろやるのは要検討

開発以外のUIデザイン・HP作り・メディア運営・プレスリリースなどなどは、僕一人でやりました。お金に限りがあったと言うのが主な理由です。経験としては良かったですが、無駄も多かっただろうなと思います。

旅行サービスはニッチに攻めるのは難しい

旅行サービスの主なキャッシュポイントは予約です。ホテル・航空券予約などです。名だたる大手プレイヤーが存在しているので、なかなか攻めづらいため、ずらしたサービスを作りがちですが大体うまくいっていません。

マネタイズが限りなく難しかった

Packerは旅あと(旅行後に使うサービス)に使うものを想定していたので、お金を使う場面がありません。ユーザーを多く集めて、広告などがマネタイズになってきます。

利益率や効率を考えても予約サービスをやる方が良いです。ExpediaとTripAdvisorを比較しても一目瞭然なのですが、TripAdvisorは送客をメインとしているためExpediaと比べかなり苦戦しています。そのため、予約にもチャレンジしているものの思ったより伸びていません。

そのほか、国内含め様々なサービスがうまくいっていません。

ペルソナを考えづらかった。

利用ユーザーは、バックパッカーを想定していたのですがバックパッカーってバックパッカーだけやってるわけではないんですよね。僕もそうなんですが、いいホテルも泊まるし、バックパッカーもやるって感じなんです。ユーザーもそうでした。

ペルソナを考える時は、バックパッカーとかってよりは、20代男性みたいな方がいいんだろうと思っています。

まずは、メインストリーム

旅行サービスをやるなら、ハードですがメインストリームを攻めるべきです。そういった意味でもNEWTはすごいなと思います。

Packerでキャンペーンをやったことがあって、北は北海道〜南は対馬まで様々なゲストハウスなどの宿が当たるキャンペーンを行いました。ユーザーはバックパッカーなどのニッチな旅をする人が多かったため、ニッチめなところにお願いして、賞品を用意したのですが人気だったのは東京・大阪でした。

雑に表現すると、まずはメイン行くんだな。と思いました。(アクセスの問題ももちろんある)

マネタイズは初期から考えろ

コンシューマー向けサービスは、マネタイズは後でいいからまずはユーザーを集めよう!って言われていることが多いです。正しいと思いますが、正しくないとも思います。考えて無さすぎて、展開を考えづらかったんですよね。絶対に考えておいた方がいいです。

ほんとにお金は大事

お金なくなると、何もできなくなります。当然なんですが、やってる時は俺ならいけるだろ。とか思うんです。そうじゃない。会社のお金も自分個人のお金も無くなってくると、余裕がなくなります。余裕がなくなると、どうにかお金稼がなきゃってなりますし、メンバーも険悪ムードになりがちです。

お金ないと、採用もできないですしね…

起業家の友達はいた方がいい

僕があまり人付き合い得意じゃないって言うのもあるのと、とにかくサービスに向かうんだ!って思っていました。サービスに向かうこと自体は正しいと思っていますが、辛い時や困ったときに助けてくれます。意外とこれはほんとです。持つべきものは友です。笑

マーケットを理解しろ

非常に難しいのですが、どういう戦いになるのかは理解した方がいいです。先人たちが何でうまくいかなかったのか、どういう戦いをしているのかなどを理解できると、何が必要か何をやるべきかが見えてきます。

最初から理解するのは難しいですが、考え続ける事が大事です。


雑多に書きましたが、失敗の連続でした。冒頭に書いた通り、これで失敗しなくなるかというと、そうではないと思います。同じ失敗をしてしまうのが辛いところですが、なんとなーく片隅にでもあると防げるかもしれません。少しでも誰かのためになると嬉しいです。

今は、完全成果報酬型・商談創出プラットフォームの運営をやっている株式会社KAENでCSとして働いています。ありがたいことに利用ユーザーも増えています。採用もしておりますので、気になる方はカジュアル面談やりましょうー!!



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