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視線が痛い子どもたち

 以前、感覚の過敏な子どもについて書きました。今日は、過敏さは音や皮膚感覚だけに現れるものではないことをお伝えしようと思います。

 子どもの障害に気づく理由の一つに「視線が合わない」という事があります。
 こちらが目を合わせようとしても、頑なに目をそらそうとします。療育の世界に飛び込んだばかりの頃は、なんとか子どもたちと視線を合わせたくて躍起になったこともありました。目を見てにっこり笑えば、警戒心を解いてくれそうなそんな気がしたのです。でもそれが全くの逆効果だということにしばらくして気づきました。
「視線が痛いのかもしれない」

 私達も町中で派手に転んだりすると周囲の「視線が痛い」ですよね。仕事で大きな失敗をしてしまった時、同僚からの視線が居心地悪くて辛い時ありませんか?大きな試合で自分のミスで負けてしまったら、味方や応援してくれていた人たちの視線は時に恐怖でもあります。「視線に対する感覚」が過敏になっているからです。視線が合わない、子はいつもこの状態なのかもしれない、そう気づきました。だから、あまり親しくない子どもと接するときは、喋りかるときも髪の毛や洋服をみながら話します。ずーっとTシャツの柄の話をしたりするときもあります(自分の好きなキャラクターのシャツを着ている子も多いのです)。心のなかで
『思う存分私を観察してね』
と思いながら…。
 そのうちこちらに心を開いてくれると徐々に目が合う時間が増えて来ます。そうなるとその子が可愛くて仕方なくなってくる。他の人とは目も合わせられないくらい繊細でシャイな子が私と目を合わせて意思疎通をしてくれいる!
 これってものすごい優越感だったり、するのです。

 感覚過敏って不思議です。
 感覚の非常に過敏な子どもたちが描いた絵を観たことがあります。彼らの観ている世界と自分の見ている世界の違いにハッとしたり、うなずいたり、、、。とっても不思議なそして素敵な絵達でした。

そんな話もまた今度。


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