「光とともに〜自閉症児を抱えて〜」
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最近、戸部けいこ作「光とともに〜自閉症児を抱えて〜」という漫画を読み返しています。有名な漫画なので読んだことのある方多いかもしれません。
初版は2001年となっているのでもう20年以上前の作品ですが、自閉症児を取り巻く環境はどのくらい変ったのだろう?と考えさせられます。
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主人公の光(ひかる)くんを中心に、ママ友や義母、学校の先生や地域の人達の差別、偏見、無理解、心無い言葉などにひどく傷つきながらも、障害と真摯に向き合い、ひとつひとつ解決にむけて進んでいく家族の話です。私の読みかけを大学生の娘がちらっと読んで、
「大変なのは大人だね」
とつぶやきました。
そう、いろんな意味で大変なのは「大人」です。
帯の裏に
『ひとこと”自閉症”と言えば、何の説明もいらない社会を願って!』
とあります。今もまだそんな社会は遠いような気がしますが、それでも少しずつ明るさは見えてきている、はず。
沢山の人に取材したのでしょう、漫画内では自閉症の光くんが生活しやすいように様々な工夫がなされていて、どれも参考になるものばかりです。巻末には光くんのモデルになった子の家族や医師があとがきを寄せています。
#主人公・光くんには沢山のモデルがいます
戸部けいこさんの優しいタッチの絵が、実際はもっと辛く悲しい、時に残酷であったであろう状況を柔らかく包み込み、とても読みやすい一冊になっています。自閉症についてや支援の仕方について知る、はじめの一歩にぜひ。
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私は本編とともにあとがきも興味深く読んだのですが、その中で医師の内山登紀夫先生が書かれていた
「思春期、はとても便利で危険な言葉です」
の記述には考えさせられました。
小学生の高学年に入る頃から、高校生くらいまでの子の困り感は
「思春期だから」
の一言で片付いてしまいます。
#楽だからね
でも、異性に興味が出てくることや反抗的になること、それらをすべて思春期と片付けてしまうのは少し乱暴かもしれません。そもそも異性に興味があるわけではなく、そのひとの持ち物に興味があるのかもしれないし、反抗的に見えてもちゃん理由があるのかもしれない。
つらつらとそんな事を考えながら、同時に障害のある子に対しての「性教育」について、思いはめぐります。ここも避けては通れない道。
カナダ発の障害のある子向けの性教育の本を取り寄せてみました。
#日本語版
そんな話もまた今度。
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