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あまのじゃく、は発達の問題!?   〜理論編〜


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 あまのじゃくは発達の問題が絡んでる、かも。なんて書くとちょっと怪しい感じがしますかね?
 今流行りのなんでも発達障害のせいにするエセな療育者の発言みたい⁉︎と思いつつ書いてます。
 決して決してそんなつもりじゃないのですが、お読みになった後、
「やっぱりエセじゃん!」
と感じてしまったらご一報を。猛省します。
#それだけ?




 「感覚統合」とは療育の世界でよく聞く言葉。感覚は積み木を積むように発達すると言われています。ヒトが色んな事を習得していくためには適切な順番があり、積み木のように下から1段1段積み上げていかなければならないという理論です。
#感覚情報の統合
#下の積み木がガタガタだとちゃんと積みあがらないよ

 それならば、一番下の積み木、すべての感覚の根っこになるものを知らなくては。
 それが、
◎ 視覚
◎ 前庭覚
◎ 固有受容覚
◎ 触覚
◎ 聴覚
の5つです。


 さてさて、「あまのじゃく」を語る時に特に問題にしたいのは「触覚」の部分。触覚には主に4つの働きがあると言われています。

① 防衛する働き
 これは、皮膚を通して危険を感じた時に反射的に動く働きです。例えば、熱いやかんを触ってしまった時にパッと手を離したり、虫が手に止まるとさっと払いのけたり、の行為です。

② 識別する働き
 例えば小銭とチケットが入っているポケットに手を入れて小銭だけを取り出す、みたいな実物を見ないで素材手触り大きさなどを触覚を使って識別する能力です。

③ 情緒を安定させる働き
 お母さんに抱っこされたときの肌と肌のふれあいや、毛布でくるまれたときの心地よさが情緒を安定させることに繋がります。

④ ボディイメージの発達を促す働き
 私達は皮膚から感じる触覚を通して、自分の身体の輪郭を感じます。これが自分自身の大きさや長さを把握するもとになり、「ここは通れそう?」「ここはくぐれるかな?」と環境との関係性を把握することに繋がります。

 この①〜④の中で①の働きは原始系、本能的な働きと言われます。触ったものが餌ならば向かっていく(口に入れる)という取り込み行動にスイッチを入れ、危険なものに触れてしまったら、頭で考えるより先に逃げる、ように脳にインプットされているものです。
#実は赤ちゃんがなんでも口に入れるのは取り込み行動
#鳥肌がたつ、は防衛本能

 一方、②の識別する働きは進化の過程で作り上げてきたものです。知的な情報処理をする触覚機能で、ポケットの中を手探りで感じ分ける感覚などを指します。

 産まれたての赤ちゃんは原始系の触覚を主に使い、触れたものはなんでも口に入れる段階を経て、口に入れては出して目で確かめて、、、という識別系が発達してきます。1歳を過ぎる頃には識別系が格段にレベルアップするのだそう。
 そして、その頃から原始系、防衛系の働きは最小限になるべく、小さくなっていきます。


 ところが、原始系の触覚がいつまでも幅を効かせている場合があるのです。
 他人に触れられるのを嫌がって押しのけてみたり、服の特定の素材に拒否反応を示したり、苦手な食感の食べ物を吐き出したりするのは過敏な触覚反応によるもので「触覚防衛反応」と言われますが、本来識別系の触覚が発達してくることで軽減されるはずの反応です。

 この触覚防衛反応がいつまでも残っていると、先に説明した触覚の③の働き、情緒を安定させる働きがうまく機能しません。


 幼い子にとって自分を守り、愛情を持って育ててくれる存在とのふれあいは非常に大切なものです。愛情溢れたスキンシップは愛着や共感の気持ちを育て、社会性の土台になります。
 が、触覚防衛反応が強く存在すると、このスキンシップがうまく取れず、親子の愛着や共感性の土台がなかなか築けません。
 触れられると強い拒否反応を起こしたり、手を払いのけたりする行為は無意識であり、好き嫌いとは関係のないところで起こるのですが、いちいち拒否されていればたとえ我が子であっても触れることさえためらわれてくるでしょう。

 共感性は生後2〜3ヶ月から1歳前後までに著しく発達すると言われていますが、自己防衛本能が強いがために時に親でさえ不快刺激になり、この時期に育まれるべき愛着の形成を歪ませたり、対人関係の発達にも支障が出ます。

 「綺麗だね」
と話しかけられて
「うん、綺麗だね」
と返せるような共感力が育っていないと、集団での行動は苦手になります。
 みんなと同じように行動することに意義を見いだせなければ、結果「あまのじゃく」な行動になる可能性があります。
 また、決して不快行動ではないはずの親子でのスキンシップを極端に避ける、ということは素直に愛情を受け取ること自体が苦手と言えます。結果あまのじゃくな言動になってしまうかも。



 「あまのじゃく」は発達の問題も絡んでいる、、、かもよ、な話ご理解いただけたでしょうか?
 じゃぁ、どうすればよいのか?これは、触覚の識別系を育てていく、活性化させていくことが大切なのですが、本日長くなったので次回にしたいと思います。
 乾布摩擦とか、とても良いらしいのですが、、、。
 そんな話もまた今度。



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