そのひと口をあげないで
「療育」やってます。
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子育て中のお母さんが早食いになってしまうのはよく聞く話です。わたしもしかり。
療育園では子ども達と一緒に給食を食べていました。日々嵐のような給食時間。わたしの早食いはここでかなり飛躍(?)したと確信しています。
何でもよく食べる子、好きなものはよく食べる子、偏食の多い子、、、。食べ方が豪快な子もいます。何でも手づかみで食べ、その手で頭や顔を触ればあっという間に顔中からだ中ベタベタになりますし、嫌いなものが出てきたらお皿ごと投げ飛ばす子もいます。すると今度は床に散らばったものを拾って食べようとする子がいて、慌てふためいている職員の隣ではもくもくと洋服を脱ぎ始める子どもが出てくる。ちなみに洋服を脱ごうとするのは感覚の過敏な子が多く、少しでも洋服が汚れるといても立ってもいられなくなるからです。
さまざまな事をやらかしてくれる子ども達ですが、徐々に落ち着いて来る行動もあります。その子の嗜好や食べるときの癖を把握して、こちら側が先手を打てるようになったりもします。けれど、自分のお皿が空になると他人のお皿からおかずやご飯を取って食べようとする子を止めるのが最後まで至難の業。とにかく素早い。どんなに注意していても、少し目を離したすきに(ここを狙っている子もいます)自分のスープの中にその子の手がばっちゃーん!と入って具材を取られてる、とか普通にありました。『負けた、、、』と思います。ものすごい敗北感。もちろん隣に座っている子のおかずなんて当たり前のように取ろうとするので、その子の好きなおかずのときは隣の子と少し席を離したり。
もうね、食べるの大好きなんだと思います。好きなおかずはいーっぱい食べたい。食べっぷりを見ているとその必死さがかわいくて可笑しくなっちゃう。ご家庭での様子を伺うとやっぱり食事中は大変とのこと。兄弟のお皿からおかずを取ってしまって兄弟喧嘩勃発!なんてことも日常茶飯事だそうです。仕方なく、お母さんお父さんが自分のお皿からその子におかずをあげたり、、、ん!?ちょっと待ったー!!!です。お母さんお父さんのお皿からその子におかずを取り分けないで下さい!
他人のお皿からおかずを取ってしまう子は自分のものと他人のものの区別がついていないことが多いです。『私のものは私のもの、あなたのものも私のもの』って本気で思ってます。お母さんお父さんのお皿からおかずをもらえたら、そのお皿(親のお皿)も自分の食べる分、と認識してしまいます。他人の前にあるお皿には手を出してはいけない、というルールがそこで破られてしまうのです。テーブルの上のおかずは彼らにとって早いものがちで食べて良いものになってしまう。もし、お皿が空になってもっと食べたそうにしていたら大皿から取り分けるようにして下さい。お皿が空になる前に『おかわりあるよ』と大皿を見せて予告しておくのも手です。すぐにうまくは行きません。でも、食べてよいのは自分の前のお皿からだけ、というルールはやっぱり教えてあげたい。
「せめてファミレスで食事出来るようになりたいんです」
そんなご家族は多いです。だから嵐のような給食の時間ではありますが、試行錯誤しながら落ち着いて食べられる術を考えたりします。
反対に給食を全然食べてくれない子もいます。担任もお母さんもやきもきします。
そんな話もまた今度。
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