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「必要な力」を身につけるために

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 私は現在ABAスクールのセラピストとして働いています。
 ABAのスクールでは、発語を促すところから始める子もいれば、椅子にしばらくの間座っていられる事を当面の目的とする子もいます。就学に向けてひらがなを教えたり、モノの数え方を教える場合もあります。
 それぞれの子の目標やゴールは異なりますが、少しでも多くのことを学んで卒業してほしいといつも考えています。

 先日、障害児の母親でもある同僚と「生きていく」ためのスキルは一体何なのかを話す機会がありました。
 同僚のお子さんはそろそろ就労を考える年齢になっています。そして今後大切になってくるのは、障害の重い軽いや何が出来るか出来ないかではない、と母である彼女は言います。今お子さんに必要なのは
『上司の話を素直に聞ける能力』
なのだと。

 幼稚園時代、小学校、中学校時代、それぞれの時代ごと身につけてほしい能力は違ったけれど、今必要なのは
『人からモノを教わる力』
これに尽きると彼女は言います。気持ちの浮き沈みが激しく、上司や先輩の指導に最後までついていけない子や、出来ないとすぐに暴れてしまう子も多くいる中で、ある程度自分の気持のコントロールができ、人の話を聞ける子が一番重宝される。それは時に能力の有無よりも大事。
 



 優秀なセラピストでもある彼女はお子さんが小さい頃からスーパーバイザーの指導の元、ご自宅でABAのセッションを続けていました。それこそ、生活スキルから発語、アカデミックな課題までを自ら指導していたのです。
「、、、小さい頃から大人主導で課題を進めるっていうやり方を徹底してやってたから、人からものを教わる姿勢は出来てる」
と彼女は言います。そしてそれが今とても役に立ってると。

 セッションを通じて『人からモノを教わる力』を教えているつもりはなかったけれど、様々な課題を一緒に根気よくやる事は、実はそういった力をつける一助にもなるのだと新たな視点。




 時に『療育は要らない』という過激(?)な言葉を聞くときがあります。様々な考え方がある中で私はやっぱり療育は必要だと考えています。特に早期療育に関しては賛否が分かれるところですが、必要なくなった時点でさっさと卒業する、そんな柔軟さがあって良いと思うのです。
 実際、子どもの発達の遅れが心配で療育に通ってはみたけれど、その後急激にいろいろなところが伸び療育はもう必要ない、と判断され半年で療育を卒業していく方もいらっしゃいます。



 子どもを支援していく方法も日々進化していて、例えば一言でABAと言っても様々な考え方があり、実践の仕方も少しずつ変わって来ています。
 発達の過程で、何かを飛ばして(?)来ているのかも、と飛ばしたところまでさかのぼり、未発達の部分を強化、トレーニングしていく方法論もあります。この理論は原始反射も絡んできてなかなかに興味深い。

 その時々で「必要な力」は変わってきます。
「力」をつけてあげるために、まだまだ学ぶことは沢山あるようです。
 そんな話もまた今度。



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