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【映画】Bベアトリス・ダル

フランスの俳優さんです

泣く子も黙るベアトリス・ダルと私の中で有名な人です。
説明不要の佇まい。圧倒的な人で
私の好きな顔芸タイプの俳優さん(褒めてます。ベタ褒め。)

1
「ガーゴイル」



原題はtrouble every day
クレール・ドゥニというフランスの監督さんの作品です。

アメリカからやってきた新婚夫婦はハネムーンでパリを訪れる。美しい妻に愛しさを隠せない夫。幸せの絶頂のはずの2人だが夫のシェーンには苦悩があった。トラブルの種がシェーンに植え付けられているために妻をその手に抱くことができない。何とかトラブルの解決を図るシェーンが会いに行ったのは同じ種を持つコレという女性だった。

コレというのがベアトリス・ダル演じる女性。シェーンとコレが抱えるトラブルとは。
それは愛しさが絶頂になるほどその相手を食べてしまいたくなる衝動。食べてしまいたくなるというか、食べてしまうのだ。
猟奇的でスプラッタ映画?となってしまうのだがこれは愛の映画。美しいパリの風景はクールでどの風景も写真のよう。無機質にも見える風景画のようなパリを舞台に沸騰するぐらいの熱量を表現するコレ。スモーキーな中の鮮やかな赤。ヴィンセント・ギャロの美しさも際立つ作品です。シェーンの奥さん役のトリシア・ヴェッセイという人のショートヘアがとっても可愛いのも注目です。

【funky登場人物】コレ

この有り様です。
ほとんど台詞も無いです。
蜘蛛の巣にかかるかのごとく引き寄せられた男とベッドに入り、興奮と幸福の絶頂で地獄に落とされる(喰いつかれる)のです。怖い、怖すぎます。不可解な設定にもなんだか納得してしまうのはベアトリス・ダルが演じるからでしょう。他にこの役ができる人はなかなか思い浮かびません。激しさと美しさを表現できる人はいるかもしれませんが狂気と猟奇がこんなにも無邪気な中に共存して見せられるのは彼女だからだと思います。

2
ナイト・オン・ザ・プラネット

ジム・ジャームッシュ監督のオムニバス映画。
ウィノナ・ライダーの印象が強いですが、ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキの5つの都市を舞台に5つのタクシードライバーのエピソードが並びます。淡々としたロード・ムービーのような趣きでタクシーの中の運転手と客という赤の他人が自動車の密室で業務的な会話の中での攻防戦。日本は目的地にちゃんと連れて行ってくれて適正な金額を支払って平和に移動できるけど旅先では様子が違うところもある。そう思うとタクシーの車内というのはとても刺激的な場所ですよね。

ベアトリス・ダルが登場するのは3作目。舞台はやはりパリ。彼女は乗客役、盲目の女。視覚が効かない代わりに顔を振り回し激しい口調。押されっぱなしのドライバー。
なんでもない場所がこんなに緊張感あふれる空間になるなんて。国柄、土地柄、いろんな国の人の気質が面白い作品。

【funky登場人物】ロベルト・ベニーニ
ジム・ジャームッシュ監督作ではほぼ常連のイタリア人俳優さん。どの役もとにかくよく喋ります。
本作ではローマのタクシードライバーを演じるが神父さんが乗ってきたからといって勝手に懺悔し続けて困らせる。喋り続ける才能を持つ稀有な俳優さんです。


3
「ベティー・ブルー」

ベアトリス・ダルといえばこの作品を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。

海辺の家に住むゾルグの元に仕事を辞めて転がり込んだベティー。服の着方も無頓着な彼女は気性が激しくゾルグの仕事を与えてくれる家主にも大反発してコテージから突き飛ばすやらピンクのペンキを車にぶっかけるやら。しまいには家に火を放つ。友人のツテで住むところと仕事を得るが、ゾルグを天才小説家だと思い込むベティーは現実との折り合いがつかず日に日に衝動はエスカレート。レストランの客をフォークで刺してしまう。徐々に精神の均衡を失っていく中、ベティーが妊娠したというニュースが。喜ぶ2人だったが再検査では陰性。
ベティーは常に放心状態で幻聴にも悩まされる。そしてある時ベティーは自分の目をえぐりとってしまう。

最初の120分の作品から60分の未公開シーンを追加したインテグラル版というのがあるのだが私はそれを見ていないので語る資格がないかもしれません。改めて入手して見たいと思います。2時間の作品でも十分見応えがあるのですが、ゾルグの行動に腑に落ちないところもあるのがインテグラルでは語られるようです。

【funky登場人物】ベティーとゾルグ
ベティーの可愛いこと!1986年作の映画ですが今見てもベティーの髪型や服はどれも可愛くて攻め攻めです。気持ちいいほど行き過ぎるベティーの行動には驚かされっぱなし振り回されっぱなし。なのですが、周りの友人のパリピっぷりやゾルグも気がつけばベティーに負けず劣らずの奇行っぷりを見せます。愛は盲目。人を愛すれば最後まで、地獄の底まで一緒、なのですね。なんだか感心さえしてしまいそうな危うい作品です。

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