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かりあげクン実写版・第8話雑感

 今週はまさかの木村課長回でした。

 課長と女子社員のやりとりを観ていると、かつて会社で受講したセクハラ・パワハラ関連のセミナーで流れるビデオのようです。お弁当を作ってきたからといっても、それを家庭的だの結婚だのと触れるのは従来の固定概念に縛られた偏見にあたり、相手を不快にさせるため良くない……まんま教育映像に採用してもおかしくないやり取りでした。
 あと女子社員はみんな派遣で「ランチしてる余裕ないから」てのもそれっぽい。例えばウチの工場には社食があるので安価で済むものの、男性の比率が高く肉体労働者向けのボリュームあるメニューになりがち。そんな中に混ざって食事をする女性社員の方々を見ると、別メニューの麺類を選んでたりお弁当を持ってきてます。もちろん自分と同じくメインメニューを選ぶ方も。この辺は携わってる業務の違い、例えば事務関係や立ち仕事といった差が出てるような気もしますね。

 しかしここへ来て「昭和センスが抜けない」という課長の設定が出てくるとは。それでも係長曰く、配慮が無いように見えて結構部下思いであり、単に昭和センスが抜けないだけでそこをコントロールすれば良い上司だ、と。
 ほんにゃら産業・営業課は良い職場なのでしょう。ましてや「無理だと思った案件は上手いこと嘘をついて手を引く」なんて、ちゃっかりしてるようでいて部下に無理をさせない、加えて自分も無理をしたくないからそうしてるように見えます。課長がワンマンな性格だったらこうはならないでしょうから。
 かりあげの出番は無かったものの、こんな上司ならかりあげのような部下がいても変じゃないですな。

 そして当のかりあげは「ついて行ってもいいですか?」的な番組に引っかかりました。繁華街を巡るもなかなか取材許可が獲れず、困り果てた番組スタッフが目を付けたのは偶然通りすがった一人のサラリーマン・かりあげ。しかし大したネタも見つからず、引き上げようとしたところでかりあげのイタズラセンスが炸裂します。さてどうなったかというと……
 この辺は原作漫画を思わせますね。ご近所さんが「空き巣にやられた!」と聴いてすぐさま通報するかりあげ。警官がやって来るも、どうやら大したものは盗られてない模様。ところがその後、警官隊やマスコミ陣が大挙して押し寄せたちまち現場は騒然となります。どうも「えらくオーバーに通報してきたやつがいた」ようで。
 これまではかりあげのイタズラ感がイマイチ弱かったものの、これぞかりあげの真骨頂。後が大変でしょうけど、それもまた原作通りですから。

 かくしてヒドい目に遭った課長ですが、自撮りでSNSだかに投稿しそうな動画を作ったりと案外流行を追っている人でした。昭和センスは抜けなくともやってることは令和。そんな課長が入ったカフェには、何と!
 ここでまさかの第2話で描かれた逆面接の即興劇が生きるとは。確かに「思春期に入ってから娘とはあまり会話をしてない」と語ってましたが
そう来たか。気付かぬうちにしっかりと成長していた我が子を再認識させられ、おまけに部下もいた(しかもたまたまランチに来ていた女子社員)ため、父親としてはちょっとバツの悪い状況になったものの、どこか嬉しそうです。これは岩井ジョニ男さんが好演してます。俺ももう少ししっかりせんとな、てな表情を見せるジョニ男さん。いいですね。この昭和テイストな芸風を生かしたキャラを他のドラマでも観たいものですが。

 ところで、次回予告のナレーションは、これご本人登場ってことかしら?


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