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『イナズマン』公式配信開始!

 『人造人間キカイダー』のあとは何だ? と思ってたら、今年はこのヒーローが50周年でしたよ! すっかり忘れてました。

 当時は変身ヒーローブームだったものの、1973年といえば既に山ほど出ていた時期。作る側としては、他作品との差別化も大変だったかと思います。

 同じヒーロー番組でも何をテーマにするか? で雰囲気や作風も全く違ってきます。同年の『ウルトラマンタロウ』童話や昔話のエッセンス、家族や兄弟の絆といったテーマがあり、そしてイナズマンと同時期に始まった『鉄人タイガーセブン』のテーマは怪奇とオカルト性で、物語も実にシビアだったりします。なお前者の視聴率や人気は説明するまでもないですが、逆に後者は苦戦したとか。やはり難しいものです。

 ではイナズマンのテーマはというと「超能力」。ヘッダー画像を曲がるスプーンにしたのもそれ。
 主人公・渡五郎は正義感の強い大学生。そんな彼はある日、超能力を駆使して人類を支配せんとする新人類帝国ファントム軍団、そして正義の心を持って立ち向かう超能力者集団・少年同盟の存在を知る。五郎は少年同盟を通じて自身に秘められた強大な超能力に気付き、ついに超人・イナズマンへと変身する能力を得た。渡五郎・イナズマンは少年同盟らの面々と共に、ファントム軍団との戦いに挑む! ……というお話です。

 さて第一話ですが、いきなり特撮シーンから始まる豪華ぶり。ライブフィルムも使いつつ新規でビル破壊もやるあたりに
「超能力を映像としてどう表現するか?」
にいろいろ挑戦してるのが分かります。とはいえ原作の石ノ森氏も「(特撮で表現するには)早すぎた」と後に語っており、特撮を駆使するにしてもほぼ破壊やメカ描写なのは気になりますね。今でこそVFXで様々なエフェクトが付けられますけど、そこら辺は73年当時だと東映より円谷の方が上手かな、と思えてしまいます。

 あと「♪サナギマンからイナズマン」という歌詞から分かるように、イナズマンは二段変身します。ただサナギマンはイナズマンを出すための引き、つまり真のヒーローを出すための溜め部分に留まっててるのも勿体無い気がします。溜めではあるけど、イナズマンにはない別の力を有してるとか、そんな要素もあって良かったかも。

 とはいえファントム軍団に関してはしっかりと「軍団」っぽさがあり、その点ではショッカーのような「秘密結社」と全く違う様相なのは良いかと。下っ端の兵士もガスマスクに鉄の爪とインパクト大。しかもその「軍団」という部分が後に続編の『F(フラッシュ)』で生きてくるのですから、何がどう転ぶか分からない。
 このまま『F』まで一挙配信してくれるのか? こればかりは待つしかないですな。 

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