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艦これアニメEpsode:Ⅷ・艦娘たちの、最後の戦い。そして語りたいことアレコレ(※ネタバレあり)

 ようやく完結に辿り着いた本作、しかし最終話の冒頭では不穏で悲壮感溢れる空気が漂っていました。振り返ってみると、前回予告で呉空襲が描かれ、自分はこれが物語上での展開か、それとも誰か(※雪風)の回想かと考えてましたが……結果は前者でした。

 史実とは違う「if」を交えつつも展開される物語に、艦娘たちがどこまで「過去」を覆せるかと期待してましたが、まさに急転直下。どんなに足掻いてもやってきてしまう悲しい結末、そしてどうやっても逃れられない「運命さだめがあるのでしょうか。
 しかし劇中の提督はそれが分かっていたように見えます。仮にその結末が不可避だとしても、「運命さだめ」への道筋がほんの僅かでも違っていれば、その間だけでも彼女達は「希望」を持ち続けられたはず。そのうえで「過去」とは違う作戦や換装を用意し、艦娘達に授けることでほんの少しでも生き延びるきっかけを与え、かつ「運命さだめ」から逃れ開放される未来もあるのでは、と考えていたのかもしれません。
 だからこそ最後の出撃時に提督はこう鼓舞していたのです。「心から感謝している。そして信じている、未来を……帰ってきてくれ、頼むぞ」と。

 ここからはひたすら悲壮感溢れる戦いが続きます。血を流し傷つく艦娘たちの姿はあまりにも健気であり、かつ痛々し過ぎます。というか本当に痛いです。心が痛みます。ゲーム内では中破・大破しても服こそ破れど血は流れないのですから。彼女達の「運命さだめ」とは何とも非情なものです。これ以外の未来はなかったのでしょうか。
 それでもなお、これが「運命さだめ」だとしても「使命」があります。「運命さだめ」を変えるために、逃げるのでなく真正面から立ち向かい、今この瞬間にやれることを全てやり尽くす。それが自分たちの「使命」だと。そのために今までずっと戦い続けてきたのですから。

 そして、またどこかで、仲間達と巡り会える時があるのかもしれない……現代に生きる艦娘たちの姿を描いて物語は完結します。幸せそうです、本当に幸せそうです。


 とはいえ、今まで描かれた世界観自体はかなり不思議なものでした。換装や改三といった技術こそ現代風ですが、時代背景は戦時中なのですから。史実をなぞらえつつそれとは違う世界。歴史通りなのに艦娘が存在するパラレルワールドです。
 おまけに轟沈要素は無く「戦線離脱」といった形にすることで前作との差別化を図り、かつ妖精さん達による艦載機発進や空中戦といった細かな描写、おやっさんと呼ばれる存在がいる工廠の様子といったシチュエーションはとても面白く、そそられる要素は確実にありました。
 それゆえに艦娘達を主人公とする「if戦記」には期待してたのですが、やはり8話では難があったというか、仮に「逃れられない運命さだめ」を描くならその要素はもっと匂わせておくべきでしたね。
 ココらへんは脚本家・笠原和夫の著書『映画はやくざなり』に記された「シナリオ骨法十箇条」を思い出します。
「その9・オチ:しめくくり。ラストシーン。予想通り終わるか、予想を裏切っても期待どおりに終わるべし」
 つまりあのような結末にするなら、それを所々に示唆させることで
「ああ、やはり運命さだめからは逃れられないのか」
 と、陰鬱にさせてでも観てる側を納得させないといけなかったでしょう。キャラ描写における「間」の取り方がそれだとしても、やはり足らなかったのは否めません。そこが非常に勿体無いのです。

 もっとも、仮に「if戦記」を描くとしたらここまでやらないとダメだったのでしょうね。無論、これとて海軍だけではなく陸軍と連携出来てこその話ですから。

 ピンチの時にやって来るのは友軍艦隊じゃなくて疾風とか銀河のような基地航空隊の方が良かった。「そうか、彼等がいたじゃないか!」とよりゲームに近く出来たはず。友軍は最後の最後にやるダメ押しの一手みたいなものですから。


 さて、ゲームに戻りますか。ちょうど今はE-3を攻略中。敵の侵攻や作戦からしてこのアニメとそっくりです。

 艦娘たちを運命さだめから開放させるのは、この自分だ。

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