「クリスマスマーケット」を知らなかった僕が、熊本で70万人以上が訪れるクリスマスマーケットを作った話。その6(仲間を100人集める 後編)
こんにちは! “あらきん”です。
前回のnoteでは、「クリスマスマーケット熊本」(以下、クリクマ)を実現させるために、集まるべくして集まった役員メンバー6人について書きました。
最強ともいえる仲間はそろった。
しかし、熊本で前例のない大がかりなイベントを成功させるには、もっとたくさんの仲間が必要だ! そこで今回の後編では、100人以上の仲間を集めるまでについての話しをお書きしたいと思います。
もっと仲間が必要だ! 夢を語る場を作れ。
仲間を集めるといっても、本当に集まることが出来るだろうか?
僕たち主要メンバー6人は「なんとしてもクリクマを成功させるぞ!」とコミットしていましたが、これから集める仲間は、クリクマに興味のある有志でお手伝いしてくれる人たちです。初めてのイベントをこれからつくるにあたり、みずから参加したいと思ってもらうには、どうすれば良いだろう? どうすれば、多くの人を巻き込んでいけるだろう……?
悩んだ末にたどり着いたのが、
「とにかく夢を語る!」
ということでした。
「夢」とは、以前のnoteにもお書きしましたが
10年先まで続く、熊本の冬の風物詩へと成長させること。
次世代を切り拓いていく子供たちに、夢や希望、この街で
ともに暮らす喜びや、生きる幸せを感じてもらうこと。
たくさんの人に夢を語り続けることで、共感してくれる人が、きっといる。
そして、それを自分の夢として、一緒に叶えたいと思ってくれる人が、きっといるはずだ。
とにかく、多くの人たちにやりたいことを伝え、広げていこうと考えました。
こうして2018年12月の初開催に向けて、同年4月からSNSを使って情報を発信。クリクマへの想いに賛同してくれる実行委員の募集を開始しました。
ユーサクの経営する飲食店でキックオフ会を開いてみると、30人ほどが集結。このときはまだほとんどイベントの詳細も決まっていなかったので、「こういったものを作りたいんだ。とりあえず、みんなで話そう!」といったノリでのスタートでした。
3カ月後の7月にも開催したときも、企画書はまだ未完成。そうした中、とにかく「飲み会」、「お茶会」をしながら「こんなことをやりたいから力を貸して! みんなでおもしろいことやろうよ!」と熱く語っていると、そこに見覚えのある顔が。ユウテツさんでした。
お寺の副住職であるユウテツさんは、さまざまなNPO活動にも積極的に取り組んでおられ、僕も街づくりのイベントなどで何度かご一緒したことがありました。そんなユウテツさんが、「なにか力になれることがあれば」とジョインしてくれたのです。
「お坊さんがクリスマス!?」というギャップも何だかおもしろいのですが、そこには、仏道を歩むお坊さんだからこその想いもあって。それはまた別の機会に書きたいと思います。
こうして
「私も協力するよ」
「できることあったら、手伝うよ」
と徐々に仲間が集まり始め、8月に実行委員会としての正式な会議をはじめて開催。
このときから地元テレビ局の密着取材もスタートし、会議や取り組みの様子がニュースで大々的に放送されることになりました。
これでもう逃げられない。
プレッシャーだけど、やるしかない!
ジェットコースターのスタート地点にいるような
ゾクゾク、ワクワクとした気持ちに包まれていました。
本番1カ月前。ラスボス登場でボルテージは最高潮。
さらに10月になると、実行委員会の勉強会には70人近くのメンバーが集まり、用意していた会場はパンパン。最初に集まってくれた30人がそれぞれ知人に声をかけ、輪が広がっていたのです。どんなイベントになるかも分からない、しかも手弁当のイベントにも関わらず、これだけの人たちが集まってくれた。本当に感謝しかありません。
が、しかし……。僕は、まだ焦っていました。
このままじゃ、足りない。
イベントの規模を考えると、最低でも100人は必要だ!
人数だけではありません。
本番まで残り1カ月ちょっと。ここで、メンバー全員のボルテージを最高潮に上げたい!
「もう、これしかない!」と連絡したのが、福岡クリスマスマーケットの実行委員長・佐伯さんでした。
「熊本のメンバーに、福岡クリスマスマーケットのことを伝えていただけませんか?」
そうお願いして、熊本の勉強会に来てもらったのです。
2013年にスタートした「福岡クリスマスマーケット」は、2018年の時点で 約40日の期間中に450万人もの人が集まる、冬の一大イベントへと成長。全国各地で開催されるクリスマスマーケットの手本となっていました。
クリクマを開催するのにあたって僕も2017年の冬に視察へ行きましたが、メンバーにその様子を伝えたところで、来場者目線からの感想にしか過ぎません。第一、僕ら役員メンバーだってクリスマスマーケットをやったことがないわけで。舞台裏の苦労とかやり甲斐といったものは、経験した人でないと語れないのです。
ご自身も福岡クリスマスマーケットの準備で忙しいさなか、快諾してくださった佐伯さん。
福岡のクリスマスマーケットとはどんなものか? どのような思いでクリスマスマーケットを福岡で始めたのか? クリクマの実行委員メンバー全員で話を聞くことにしました。
佐伯さんは実際の映像を見せながら、メンバーにこう語ってくださいました。
「クリスマスといえば、イルミネーション。
イルミネーションは見て終わりなんです。
でも、イルミネーションのもとに多くの人がつどい、
寒いなか、ホットワインを片手に、体を寄せ合いながら、夢を語れる場所を用意する。
それが、クリスマスマーケットではないかと思います」
それはまさに、僕がはじめて福岡クリスマスマーケットを訪れたとき目の当たりにした情景そのものでした。
イルミネーションのもとで体を寄せ合い、夢を語れる場所を、熊本につくりたい。
改めて初心へと呼び戻され、胸が熱くなりました。
心を動かされたのは、僕だけではありません。
実行委員のみんなも食い入るように佐伯さんの話に耳を傾け、瞳はキラキラと輝いています。特に、チカオと一緒に共同実行委員長を担ってくれる、竹あかり職人のミシロくんのハートにもあかりが灯り、・・・いや "燃え始め"て、いい感じに!(ヨッシッ!)
これから本番へと突き進むなか、誰一人やったことがないことに挑戦するのですから、実行委員のメンバーも不安だったと思います。いや、僕自身も不安でしたから。
そんなタイミングで佐伯さんの話しを聞けたことは、非常に大きかった。
つべこべ言わずにやる! とにかく頑張る!
そう一致団結し、会場のボルテージはマックスに。
みんなの心が固まった、やる気スイッチが入った瞬間でした。
(いいぞ!いいぞ!いい雰囲気が作れているぞ!)
僕は心の中でガッツポーズしていました。
ありがとうございます!佐伯さん!!
100人超の仲間が集結。ひとりの語った夢が、みんなの夢に。
その後も夢を語り続けることで人が集まり、11月23日に行った最後の実行委員会(総決起集会)では100人以上が押し寄せ、会場に入りきれないほどでした。
さぁ、いよいよ、本番直前だ!
残された時間は、あとわずか。市民手づくりのイベント、限られた予算でどこまで価値を引き上げることが出来るだろうか。
僕たち実行委員会が目指しているのは、より本場に近い、しかも熊本らしいクリスマスマーケットです。
いろいろと大変な面もありましたが、たくさんの人たちが関わってくださったことで、いろんなアイデアやノウハウ、知恵も出てきました。
みんなで作りあげる、熊本初開催のクリスマスマーケット。
ひとりの語った
「熊本に新しい冬の風物詩を!」
という夢が広がり
夢を語り続けることで
みんなの夢となって広がっていく。
一人ずつの想いが大きなエネルギーとなり
その熱量が大きな感動を作りあげていく。
たった1週間だけ、街なかに現れる「クリスマス村」。
一緒に作ってくれる仲間がいること、それが一番の幸せです。
この街で出会った仲間たちとの出会いが
この街をもっと好きにしてくれる。
誰も見たことのない景色を
ここ熊本で、みんなで作っていくんだ!
次回は、クリスマスマーケット熊本に欠かせない
飲食店への出店交渉ストーリーについてお話しします!
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