マガジンのカバー画像

発行部数1万部のローカル新聞でみたこと

26
某地方都市で発行部数1万部という超ローカル新聞社の記者をしていました。全国紙とは違った田舎のほほえましくもエグいできごとについて紹介します。
運営しているクリエイター

2020年7月の記事一覧

郷土紙という超ローカル新聞(連載4) ツケのきく店をおぼえましょう

郷土紙という超ローカル新聞(連載4) ツケのきく店をおぼえましょう

朝はさほど早くない
初出社の日は、特に仕事らしい仕事はありませんでした。
「定時はない」と聞いていましたが、念のため空気を読んで9時少し前に着きました。
今考えると定時がないということは終わりもいつなのかわからないということです。
ちょっと… どころかかなりブラックな雰囲気ですよね。
新聞記者の中にはなかなか休みが取れないという人もいますし、担当する分野や新聞によっては24時間365日があたりまえ

もっとみる
郷土紙という超ローカル新聞(連載3) コネ採用はあたりまえ

郷土紙という超ローカル新聞(連載3) コネ採用はあたりまえ

新聞は文化?今回から私がかつて働いていた郷土紙(超ローカル新聞)であったできごとなどを書いていきます。なお、実在の人物、団体に差し障りがないように一部の設定や地域、背景、登場人物のキャリアなどに味つけをし、固有名詞や行政地区名はほぼ仮名です。ご承知おきくださいませ。

私がいた新聞社は、発行部数が1万部程度の超零細郷土紙です。
公称ではもう少し盛ってありますが、実売部数は、1万部くらいです。

もっとみる
郷土紙という超ローカル新聞(連載2) 郷土紙には何が書かれているのか

郷土紙という超ローカル新聞(連載2) 郷土紙には何が書かれているのか

80センチの大根が新聞記事になる郷土紙は、おもに発行エリアに関係する地元のニュースを報道しています。
どんな新聞なのか知りたい方は、全国郷土紙連合のサイトを参考にしてみるといいと思います。

たとえばある県の南部地域を対象にした新聞なら県南部の中心都市の市政動向(市の政策や予算、市議会の動き、選挙に関連すること)や地域経済の動き、その都市が企業城下町の場合、本体企業や関連する下請け企業の動向などが

もっとみる
郷土紙という超ローカル新聞(連載1)

郷土紙という超ローカル新聞(連載1)

発行部数1万部の新聞
斜陽産業、オワコンといわれて久しいのが新聞社。その業界内で中小どころか零細、吹けば飛ぶ、まさに顕微鏡でなければ見つけられないような発行部数1万部クラスの小さな新聞社があります。郷土紙、地域紙などと呼ばれている超ローカル新聞社です。

郷土紙の多くは、県内の4分の1とか5分の1くらいの地域、いわゆる県東部や県南部あるいは旧〇〇藩地区などといった狭い地域を対象に発行しています。人

もっとみる