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親知らずを抜いた

先週の頭に親知らずを抜いた。
とはいえ、抜いたのはワタシではなく子なのだけれど。

歯列矯正をしている子は、歯並びはとりあえず一段落して今はメンテナンス期とやらに突入している(裏にワイヤーと、夜のマウスピースで、三か月おきくらいに受診中)

そして、そのメンテナンスに入った時に「親知らず、横向きに生えてるから抜いてきてね~」と言われ、渋りに渋った挙句、やっとのことで重い腰を上げて口腔外科にて抜歯をしてきた。

ワタシも家人も下の親知らずは真横に生えているので、子は親知らずが横向きに生えるべくして生えている、所謂「親知らず横向きサラブレッド」。

が、しかし。

ワタシも家人も下の親知らずを一本たりとも抜いたことが無い。

なので、口腔外科の先生が「下の親知らずは腫れるよ~」と言われてもピンとこず「ああ、そうなんですね~」なんてわかったようなわからないような返事を返したワタシ。

友達に「子が下の親知らず抜くねーん」と報告したところ「下の親知らずはめっちゃ腫れるで!おたふく風邪レベルに腫れる!」と熱弁されたけど、残念ながらワタシは自分がおたふくに羅漢した記憶は無いし、我が子も予防接種を打ったからか、おたふくにはなったことが無いような気がする(記憶が曖昧。でも多分かかってないはず)

なので、おたふくレベルもなんとなくピンとこなかった。

でも、なんとなくわかってないと思われるのがしゃくだったので

「えぇー!そんなに腫れるん?!」

なんてわかったふりをしたのはここだけの秘密である(←


とまあ、そんな前振りはさておき。
下の親知らずを抜いた子のほっぺに異変が現れたのは歯を抜いたその日の夜のことだった。

ふと見ると、子のほっぺたが「あれ?なんか腫れてる?」レベルに膨らんでいるように感じる。

でもまぁ腫れるって言われてたし、おたふくレベルって友達も言うてたし(よくわかってないけど)まだ腫れるんやろうなぁ。なんて思いつつ。当日は冷やして下さいと言われたので、保冷剤と共に早く寝ていただくことにした。

そして迎えた翌朝。
ぽっこりと腫れたほっぺたを見たワタシは思わず大きな声を上げた。

「うわっ!!!めっちゃ可愛い!!!写真とっていい??」

抜いた右側のほっぺたがぷっくり、いや、ぽっこりと膨らんでいるのだ。
げっ歯類が頬袋にこんもりと食料を詰めているかのように、我が子も右のほっぺたに何かを詰め込んでいる!!

「何入ってるん?」
と言いたい気持ちと、ほっぺを指でぷにぷにしたい気持ちをワタシは子のほっぺの写真を撮ることでなんとかやり過ごす。
「何隠してるん?」とよく聞いた(←)赤ちゃん時代のあのはち切れんばかりのほっぺたを目の前にして、失言と衝動に耐えた。耐え切った!

赤ちゃんのあのほっぺたのラインの尊さは異常

反抗期が終わりを迎えた(?)とはいえ、まだまだ油断は大敵。痛みもあるだろうし、いつも以上に地雷がそこいらじゅうに埋まっているはずので、迂闊な行動は危険だ。

なんてことを思いつつ、とりあえず腫れている四日間は写真を撮り続けたワタシであった。

だって可愛いんだもの!!!!


今現在、腫れが引いてもとのシュッとした輪郭に戻ってしまった子を見て、ワタシは寂しさを隠せない。
あんなに可愛かったのに……。
撮り貯めた写真を見ながらあのぽっこりとしたほっぺに想いを寄せる日々が続いている。

でも大丈夫。

来月、また左下の親知らずを抜くことになっているのだから。
しかも、先生曰く「左の方が腫れるかもね~」とのこと。

子が痛い思いをするのは本当に心苦しい。なんなら変わってあげたいとしか思わない。

でも。

でも。

ワタシは来月、子の左のほっぺたがぷっくりとするのを心待ちにするのをやめることができないのであった。

カモン!ぷっくりほっぺ!!

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