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睡眠時間と等価交換されたものは

最近、睡眠時間に変化が出てきた。

少し前までは0時前に眠りにつくと1時半に目が覚め、そこからまた眠りにつき5時半に目が覚め、そして三度寝に突入してしっかりとした夢を見た後、朝の起床時間を迎えるという感じだった。

もちろん、目が覚める度にトイレは必須。それどころか、1時間、5時半以外にもトイレに行きたくて何度か目が覚めた。

「あぁ、加齢とはなんと無常なものなんだろう…」
と、個室を照らす眩しい電気の下で目をしぱしぱさせながら、これほどの量の水分を追加したわけでもないのに、人体とは1時間でこれほどまでの水分を排出することができるのか…と絶望とも羨望とも言えない感情にぼんやりと身を任せていたあの頃。

それがどうしたことだろう。

最近のワタシは、0時前に眠りにつくと1時半に目が覚めるのは変わらずだけれど、トイレに行きたいという感覚は全然ない。これっぽっちもない。皆無である。

だったらどうしてワタシを起こすのだ……
と、自分自身に悪態をつきつつ、もう一度眠りにつく。この間は5~10分くらいだろうか。対して苦労もせず眠りについたワタシは、しかしこの後、すっきりと目覚めることになる。

午前3時半に。

どうして3時半……。
外が明るいわけでもなく、家で起きている人間がいるわけでもないのに。

理由もなくスッキリと目醒めてしまったワタシの頭の中に「4時には目覚めるわ」と言っていたおかんの姿がよぎった。

さらなる進化なのか……⁈

しかし、オカンは21時には「眠い眠い」と言いながら早々に寝てしまい、4時に目が覚めてしまっているので、眠るための体力不足のようなものだとワタシは勝手に思っている。ワタシももう、昼過ぎまで眠り続ける体力はほんの少し前になくなってしまった。なので、なんとなく種類が違うような気がした。

3時半。
丑三つ時を通過しているのがまだ救いだ。昔、きっちりと2時に目が覚め、なんとなくどこからか誰かに見られているような気持ちになっていたあの頃より平和である。

とはいえワタシには霊感など存在していないので、知らない誰かを見たことも、空中や隙間からこちらを覗く目に遭遇したことも無いのだけれど、怖がり故の逞しい想像力で自分を追い込んでいくスタイルのためにその後眠れなくなるくらいの恐怖におののいていたのはここだけの話で。

と、昔のことは置いといて。
3時半にぱっちりと目が覚めてしまったからといっても活動を始めるには早すぎる。こんな時間にごそごそと何かをしていたら迷惑極まりないだろう。

ということで、ワタシは布団に入ったまま本を読んだりPodcastを聞いたりしながらただただ時間を潰す。しっかりと覚醒したままで。何となく眠ろうとしながらも。

そして5時半。
このまま日中の活動を始めるには睡眠時間が足りなさすぎるので、ワタシはもう一度眠りにつく。
不思議なことに、この時間になると眠気はあまり感じていないにもかかわらず、眠ることができるのだ。そしてうつらうつらと浅い眠りの中、夢をあやつりながら、起床時間を迎える。

不思議なことに、この間一度もトイレに行きたいと感じることはない。とりあえず…と行ってみても、残念な結果になったので今では起き上がることも無くなった。

なんだろう。
体内がバグっているんだろうか?

今までの夜間における膀胱の活動力が脳に吸い取られている?!

嬉しいような

悲しいような。


ちなみに、1時前に寝ると1時半起床はまぬがれるものの、3時半にスッキリと目覚めてしまう。それに、1時過ぎに寝たとしても、5時半にスッキリ目が覚めてしまうこともしばしば。

トイレに行きたくて目が覚めるというあの苦しみはないし、目覚めはすこぶる快調だ。

睡眠時間と引き換えに、ワタシはこのふたつの素晴らしいものを手に入れたようである。

でもなんだろう。この釈然としない気持ちは……

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