読書感想文「ハトはなぜ首を振って歩くのか」
ひとことでいうならば、これは道行くハトを見て、ほとんどの人が疑問に思っていることかもしれない
『なんでハトは歩く時に首を振るんだろう?』
について解説してくれている本だ(題名からそんなことわかるとか言わないで……
ネットで検索したらこのこと(ハトが歩く時に首を振る理由)について解説している動画もあるみたいなので、本を読まなくても結論(?)は分かってしまうのだけど、ここではその答えは書かないでおこう。
さて。はじめに「ほとんどの人が疑問に思っているかもしれない」なんて書いてみたものの、ワタシは実は、ハトが首を振りながら歩いているのを見ても、それがどうしてなのかなんて疑問に思ったことは一度も無かったりする。
とはいえ、ハトの歩き方についてまったく考えたことがないわけではなくて。たとえば、ぴょこぴょこと両足を揃えて飛びながら歩く(?)小鳥のように、全てのハトがぴょこぴょこと移動していたらちょっと嫌だなぁ。なんてことはたまに考える。
同じくらいの大きさのカラスがぴょこぴょこ歩いていても嫌だとは思わないのに、なぜかハトにはぴょこぴょこと両足飛びで移動してほしくないと思ったりもするのはなぜだろう。
また、それとは逆に『ペンギンがハトのように首を前後に振りながら歩いたら加速してもっと早く歩けそうなのになぁ』なんてことを何度も考えたりもする。
しかし、ハトが常にぴょんぴょん両足飛びで飛んであるいているのを想像したときの『ちょっと嫌だなぁ』という気持ちとは違い、「をっ。ちょっとそれ、可愛いんじゃないの?」となかなかいいアイデアのように感じてしまうのはなぜだろう。
なんでだろう。
カラスはよくて、ハトは許せないのは。
なんでだろう。
ペンギンはよくて、ハトが許せないのは。
同じ鳥類なのに。
ワタシはハトに対して厳しい目を持っているのだろうか?それともハトに対して特別過ぎるくらいの想いを持っているのだろうか?
考えてみてもちょっとよくわからない。
と、本の内容とは全く関係のないことをつらつらと書いてしまったけれど、この本を読もうと思ったのは、題を見て「ああ、確かに言われてみれば。ハトはいつも首を振ってあるいているよねぇ」とちょっと気になってしまったから。
本書では、ハトがどうして首を振って歩くのかという疑問に答えるだけでなく、話がどんどん膨らんでいく。ハトが首を振って歩いているという理由について、疑問点から解説へ。そしてそこからもうちょっと発展した疑問へと進んでいく。そして、ただハトについて書いてあるだけでなく、首を振らずに歩く鳥についても触れられていたりして、ついには恐竜についてまで問いが立てられていたりする。
面白くて一気に読んでしまったのだけど、実は、本書の内容だけでなく、中にある挿絵もまたイイ感じなので、ハトがなんで首を振って歩いているのか既に知っている人でもよかったら是非読んでみて欲しい。
個人的には、山手線のホームにいるペンギンがイチオシだ。なんかいい。すごくいい。Tシャツにプリントされていたら絶対に買ってしまう自信がある。それくらいいい感じのイラストなのだ。
と、それは置いといて。
この本を読み終わった後、ハトが首を振りながら歩く理由が分かったのはもちろんの事、研究者という人たちは、あたり前という概念が無いんだな。スゴイ精度で世界を見ているんだなぁ。と、改めて感じさせられた。
そして、そこまではいか(け?)なくても、あたり前だと思う日常に対してもっと疑問を持って生きてみてもいいのかもしれない。いや、もっと疑問を持っていこうぜ!と思わされたのでした。
とはいえ、この本の中で一番ワタシが刺さった部分は、著者がハトを観察中、求愛行動をしているにもかかわらず、メスのハトに迷惑そうに逃げられているハトを見て
と言い、さらに、追いかけていたメスに飛んで逃げられてしまったハトを見て
と、しみじみと著者が語っている部分だったりするのはここだけの秘密にしておこう。