Uematsu Yoshiko

1985年生まれ。 フランス人の夫と子育てしながら、主に油絵、アクリル画を描いています…

Uematsu Yoshiko

1985年生まれ。 フランス人の夫と子育てしながら、主に油絵、アクリル画を描いています。 フランス・プロヴァンス地方の、田舎と都会の中間のような街に住み始めた所です。好きな食べ物はチョコレートと茶碗蒸しです。

最近の記事

リラの花を摘んで

先週末、夫の叔母の家に遊びに行った。 車で3時間程のところに住む彼女は最近引っ越しをして、新しい家を買ったばかりだ。大きなふわふわのぶち柄の犬と、同じくふわふわの灰色の猫と住んでいる。 住処はその人を表すが、彼女の家はまさに彼女そのものだ。 たくさんの動物のオブジェや、テーマカラーのオレンジや黄色を基調とした彼女の遊び心と色鮮やかな人生の思い出が垣間見えるインテリア。 広い庭とかわいい花壇には彼女の好きなお花たちが一株ずつ図鑑のように並んで咲き誇っていた。 彼女は朗らかで

    • 自分の為にパン・ペルデュ

      娘、健やかに成長 出産してから2ヶ月半が過ぎ、娘は母乳を飲みすくすくと成長している。 上の子の時は、完全母乳ではなかったのだけど、今回は母乳の出も良く ミルクだと、哺乳瓶の消毒など面倒なのもあって、完全母乳。 そのおかげなのか、体重も既に出産前の体重に戻っていて、順調なスタートを切っているようだった。 ところが、ちょうど2ヶ月を過ぎた頃、5歳の息子が学校から様々なウィルスをもらってきて、我が家はこの冬、嘔吐下痢の風邪、咳のひどい風邪、コロナっぽい症状の風邪と、家族でかなり

      • 娘が生まれた日のこと②

        今日で彼女が生まれてから50日程経過した。 日々が平和につつがなく、少しずつ変化しながら進んでいる。 私は重たい水の中にいるような感覚を感じながらも、その重たい水の温度や匂いや色を楽しみながら、一日一日を過ごしている。授乳と家事の合間にポツポツと絵を描いて、産後の体もほぼ通常に戻ってきた。 そうこうしている間に、出産の日の事をどんどん忘れていってしまうので、なんとか記憶の彼方に飛んでいってしまう前に書き残さなければ。 予想外の展開で、予定日に計画無痛分娩になった。 お昼す

        • 娘が生まれた日のこと①

          娘が生まれた日の事を書こう。 予定日が来たら病院へ来るように言われていたので、予定日の朝に 息子を学校に送って、そのまま車で15分ほどの病院へ夫と共に向かった。 病院に着き、待合室で1時間程待つ。 先生から、予定日の2週間前の最後の検診で、すでに3400gあるだろうと言われていたので、私は4キロ越えのビッグベイビーになっているのでは無いかと案じていた。待合室では、このタイミングで自然陣痛が起きないかと、往生際悪く最後までスクワットをしたりしていた。というのも、息子の出産は

        リラの花を摘んで

          フランスで、臨月のお腹を抱え、君たちはどう生きるかを見て。(後編)

          前回、魔が刺してしまい、我慢していた宮崎駿監督の最新作を 5歳の息子と一緒に冒頭だけ観て映画館を後にした話を書いた。 今回は、その六日後、臨月に入ってすぐの出っ張ったお腹で ついに鑑賞できた話をしようと思う。 息子のバカンスは先週で終わり、月曜からは通常営業に戻った我が家。 月、火曜日はバカンス中に溜まった家事を一気に済ませて、無事に 水曜日を迎えた。 午前中は、絵の方に手をつけて、いよいよ午後は映画館へ。 1人で映画館に行くのはいつぶりなのか、全く思い出せず。 上映

          フランスで、臨月のお腹を抱え、君たちはどう生きるかを見て。(後編)

          フランスで、臨月のお腹を抱え、君たちはどう生きるかを見て。(前編)

          宮崎駿監督の最新作、君たちはどう生きるかを観てきた。 水曜日は、夫が息子の送り迎えを担当してくれているので 14時から上映の回を、1人で観に行くことにした。 この作品を観るのに、私には少し、否、かなりの葛藤があった。 前編では、その謎の葛藤を書く。 なんなら夏の一時帰国の時に観に行けたのだが、監督82歳の、もしかしたら最後になるかもしれない長編だ。 公開されたポスターにも問題があった。私にとって好きなモチーフである青鷺が、線画で生々しく描かれたポスター。 心を惹かれすぎて

          フランスで、臨月のお腹を抱え、君たちはどう生きるかを見て。(前編)

          季節が変わる

          季節が変わる

          不思議と素敵で溢れているこの世界。

          先日、祖母が亡くなった時のことを書いた。 書くことで心が救われ、noteの存在に感謝。 今回は、前回の祖母の死の後に起こったことを書こうと思う。 この世の中は、不思議なことでいっぱいだ。 そんな気持ちが、悲しみを追い越していったことを書こう。 祖母が亡くなって、お通夜と告別式が執り行われた。 私はその期間、毎日お線香を焚いて その場に居れないことへの後悔と悲しみで 涙を流せるだけ流した。 祖母の告別式が終わった日は、毎日していた両親への連絡を きっと疲れているだろうから

          不思議と素敵で溢れているこの世界。

          大好きな人のお葬式に行けないこと

          今朝、洗濯物を洗濯機に押し込んでいるところで、母からの着信があった。 先週の水曜日にこちらからかけたばかりだったので、嫌な予感がした。 (母とは大体週に1度、ビデオ通話をしている) 父方の祖母が亡くなった知らせだった。 思わず、え〜!と大きな声を出した。 そして反射のようにえんえんと泣いていた。 それを見た父が泣き、母も涙を溜めていた。 ここのところ容体が悪かったのは、祖父の方だった。 先週月曜日には祖父の危篤の知らせを受けて、父母が新幹線でかけつけたが なんとか持ち堪えて

          大好きな人のお葬式に行けないこと

          しんどい程楽しかった夏の終わり

          2023年の夏は、本当に楽しかった。 私はこれから先、この夏を宝物のように時折取り出しては 眺めるだろう。 息子と2人、コロナ禍の明けた日本で、3年ぶりに夏のイベントを 心置きなく楽しんだ。実に3年ぶりに. 大好きな友達達にもたくさん会うことができて、友人らそれぞれの時間は もちろん刻々と進んでいて、私たちは確実に年を重ねていて それでも、会う人会う人からたくさんキラキラした時間をもらった。 まるで砂時計の砂がサラサラと落ちる時のような。 口の中に入れた和三盆の小さな粒が

          しんどい程楽しかった夏の終わり

          心地よさの理由

          現在、フランスから実家へ一時帰国中。 息子は、日本で憧れだったカブトムシを捕まえる事はまだできていないが 祖父の病院にお見舞いに行った際、病院の木陰で生を全うした カブトムシの亡骸をゲットし、大喜びしていた。(写真中央の彼がそれ) こちらでは親、親戚、友人と共に時間を過ごしている為 インターネットの記事やSNSをほとんど利用せずに3週間程が経過した。 普段、フランスでは家族を送りだすと、家で独りで家事をしたり 絵を描いたりするのが日常なので、朝一番に日本のニュースを見たり

          心地よさの理由

          あと数時間後には空の上

          今日、日本に帰国する飛行機に乗る。 今朝の明け方、虫よけの網戸もついていないのに 大きく開け放たれた窓から アパートの近くにわさわさと生えている松林が風に揺れる音を聴いて ちょっと切なくなった。 我が家は3階で、夜間に蚊が入ってくるのもしばしば。 エアコンはなく、夜は涼しい風が入るので窓を開けて寝ている。 屋根はあるものの、部屋の窓も近いので まるで屋外で寝ているような気になる。 日本に帰る前に、食べたくなったのは 街のパン屋さんのおっきなバゲットサンドイッチと パン・オ

          あと数時間後には空の上

          Hug / Embrasser /抱擁

          Hug / Embrasser /抱擁

          オレンジの壁

          月明かりの夜に

          月明かりの夜に