おじいちゃん部|#完成された物語
最近、公民館の予約表に『おじいちゃん部』がよく登場する。
「何かしら、おじいちゃん部って。老人会の男性版?」
「確かに気になるわね。悪いけど、怪しいことをしてないか確認してくれない?」
私の疑問に、マキが反応した。
先輩の頼みは断れない。
扉に近付くと、中からおじいちゃんたちの声が聞こえてくる。
「さすのは楽しいぞぉ。追い詰める快感よ」
「俺はうつ派だな。囲みゃ、おしまいよ」
恐ろしい会話だった。
怖いが扉を少しだけ開ける。ぼんやりとだが、驚くべき光景が垣間見えた。
「もうこんなに汚れちまった」
―手には、血に染まった上着!?
「こんなにもらっても、使い切れねぇよ」
―手には、札束!?
驚きもつかの間、私は、おじいちゃんに見つかり、手を引かれ、中に入れられた。
部屋の机の上には、
・将棋盤
・囲碁盤
・赤いちゃんちゃんこ
・大量の肩たたき券
があった。
おじいちゃんたちは、これらをネタに懇親していただけだったのだ。
私は、すぐに「おばあちゃん部」部長のマキに報告を上げた。
「おじいちゃん部ですが、私たちの同業ではありませんでした」
了
お読みいただき、ありがとうございます!
企画は、楽しんで書くのが一番だと思い直しました。今回は、好きなように書いてみました。
とんでもなく難しく、自分だけの発想では生まれ得ないお題を、皆さんとも楽しんでいきたいと思います!
もう少し考えて、私も「お題」を投稿したいと思います。引き続き、よろしくお願いいたします!
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