見出し画像

人生を変えた2人のコーヒー屋さん②


運命的な流れで自分の居場所をここにしたいと決めた


緊張のコーヒー屋通い


コーヒーが飲めないので他に通う理由がないと意味の分からない人だと思われてしまうのが怖かった


「何か理由ないかな?」


ふと考えていると、たまたま畑に自作のコンポスト(肥料を作るもの)があって、臭いが気になっていた


「そうだ!コーヒーの入れた後のカスがもらえたらちょうどいい感じだ」


そうに思ったが、いざそれを聞いてみるのにとても時間がかかった


もともとシャイボーイなので話しかけるのは得意ではなかった


でも勇気を出して聞いてみた



「コーヒーのカスが欲しいんですけどもらえますか?」


すると


「いいですよ、持って行ってください」


そうに言ってくれた

優しい子だよホント


それから僕はこのコーヒー屋さんに通うようになった



コーヒーが飲めなくても


コーヒーが飲めなくても通えたのはリンゴジュースがあったから


たぶんこれがなかったら厳しかったと思う


僕にとっての奇跡のリンゴ


しかもとてもおいしいリンゴジュースだったから尚更よかった

大人でリンゴジュース頼むのは僕ぐらいだったと思う(笑)


しかも冬になったら

「温めましょうか」

と言って温めたリンゴジュースを出してくれた


これには正直感激して、初めて飲んだ時は心とカラダにしみ込んだなー



少しづつ心を開いていく


僕も大人しい性格でコーヒー屋さんの女の子も大人しい

お互いに大人しのでコミュニケーションもちょっとずつだった


通うにつれてお互いの事がわかってくると、冗談も言ったり真剣な話もしたり

僕にとっては今までにない交流の感覚で緊張しながらもとても新鮮で楽しかった

時間を忘れさせてくれる事がなんだか幸せだった


時間がある時はほぼ毎日くらい通っていた


雨の日も 風の日も 雪の日も


青春時代というものがあまりなかった自分に

青春時代というものを感じさせてくれた


他人に心を許すのが怖かったがそんな自分を変えてくれた


そしてなによりその子が自分のやりたいことをやっている姿に心を動かされ

やりたいことをやっている人は本当に輝いて見えた



僕の人生でここまで心を許して交流した女性はこの子が初めてだろう


ここから生まれた人との出会いはたくさんあり

僕が社会に出ていくためのきっかけを作ってくれた大切な存在



おそらく彼女とあの場所がなかったら今の自分はいなかった


もう移動販売はやめてしまったが

今でも彼女とはよく会って変わらず楽しい時間を過ごす


いままでもこれからも感謝



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?