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美味しいの方程式〜進化し続ける私たちの食文化〜

人が食事をしている時に主に2つの反応をする。それは、美味しいものや不味いものを食べた時の反応です。

まず、美味しいものを食べた時は、通常、ポジティブな反応が見られます。例えば、顔が明るくなり、笑顔になったり、自然と「おいしい!」と言葉に出すことがあります。

また、脳内でドーパミンなどの快感物質が分泌されるため、幸福感や満足感を感じることもあります。食事を共有している場合は、その美味しさを他の人と共有することで、会話が弾んだり、コミュニケーションが活発になる。

一方で、不味いものを食べた時の反応は、否定的なものが多いです。顔をしかめたり、嫌な表情をしたりすることが一般的です。不味さを直接的に「まずい」と表現することもあれば、食べるのを避けたり、食事を早めに終えたりすることもあります。

味覚は個人の好みに左右されるため、同じ食べ物でも人によって反応が異なることは珍しくはない。

どちらの場合も、食べ物への反応は単なる味の好みだけでなく、その時の気分や状況、食事の背景(誰とどこで食べているかなど)にも影響されます。食事は単に栄養を摂取する行為を超え、感情や社会的な場面と深く結びついています。

では、私たちはその美味しいをどの様にして感じとっているのでしょうか?

「美味しい」と感じる瞬間は、私たちの五感が複雑に絡み合っています。この感覚は、ただ単に味を感じること以上のものです。では、どういうプロセスで「美味しい」と感じるのでしょうか。

  • 味覚: 最も直接的な感覚です。甘い、しょっぱい、すっぱい、苦い、うま味の5つの基本的な味を私たちは感じ取ります。舌にある味蕾が、食べ物の化学物質を検知することで、これらの味を識別します。面白いことに、味覚は人によって異なり、遺伝的要素や年齢、健康状態によって味の感じ方が変わります。

  • 嗅覚: 実は、美味しさを感じる上で非常に重要な役割を果たしています。嗅覚は味覚と密接に連携し、食事の全体的な風味を形成します。風邪をひいたときに味が分かりにくくなるのは、この嗅覚の機能が低下しているためです。

  • 視覚: 食べ物の見た目は、私たちの食欲を刺激します。色鮮やかで美しい盛り付けは、食事をより魅力的に感じさせます。視覚が与える影響は非常に大きいです。

  • 触覚: 食感も重要な要素です。口の中での感触は、食べ物の質感を伝え、味わいを豊かにします。

  • 聴覚: 食べ物を噛む音や、料理をする音など、聴覚も食事の楽しみを形成します。

では、人にとって美味しいとはどうやって【判断】しているのでしょうか?

まず基本的には、【味覚と嗅覚】が大きな役割を果たしています。上記でも触れた様に、味覚は舌の味蕾(みらい)によって味を感じ、嗅覚は鼻からの香りで食品の風味を感じ取ります。これらが脳に情報を送り、美味しいかどうかを識別します。

これを私たちの生活に身近なラーメンで例えてみましょう。

良質な出汁を使ったラーメンは、一口目からその豊かな香りと味わいが広がり、食べる人を引き込みます。それに対して、出汁や香りに工夫のないラーメンは、味の印象が薄く、忘れやすい経験になることが多いです。

味と香りのバランスが調和した料理は、食べる人の記憶に残るような特別な体験を提供してくれます。

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