見出し画像

四十二杯目「茶色い鞄」

グァテマラ(アンティグア) "サンタカタリーナ / カンパメント"(ブルボン品種)(Khazana Coffee
深煎り
¥1,080/ 100g

茶色い鞄をもらった。
おとうさんに。
ブランドも特別な装飾もない、なんて事のない鞄だ。

四角い、ピカソの画集みたいな。
大事なものは皆入り、大事でないものは入らないくらいの。

茶色い、ラクダの唇みたいな。
朝の光を称えながら、夜の闇にも浮かぶ色。

持ち手の皮が厚くなっていて、手にすっかり馴染んだ。
ぐんぐん進んでいけそうだった。

それ以外は、なんて事のない鞄だ。


毎週末の朝、珈琲を飲んで浮かんだ散文をお届けします。
優しい一日を迎えましょう。
フォローもぜひ。
(四月一)


この記事が参加している募集

私のコーヒー時間

君は友の、澄み切った空気であり、孤独であり、パンであり、薬であるか。みずからを縛る鎖を解くことができなくても、友を解き放つことができる者は少なくない