四月一(小説家)

"毎朝5時15分に起き、こおひいを点て、小説を書いています" ・…

四月一(小説家)

"毎朝5時15分に起き、こおひいを点て、小説を書いています" ・本が好き(風の歌を聴け、金閣寺、銀河鉄道の夜) ・こおひい(濃いめ浅めともに) ・ウヰスキー(ニート)

マガジン

  • ☕️ もし僕らの言葉が“こおひい”であったなら🖋

    毎週末の朝、珈琲を飲んで浮かんだ散文をお届けします 〜論理と妄想のコーヒー日記

  • 掌編(短いお菓子)

    10分程度で読み終えられるサクサクとした軽いもの。

  • テレグラフにいた

    ボリナス・アールビーをご存知だろうか? 友を失い、恋人を失い、僕は再び東京へと帰る。 十九歳と二十九歳。 東京とサンフランシスコ。 ふたつの五月から十月までを描いた青春小説。

  • 五月の5日間

    平成から令和へ。 遥か北の街・ヘルシンキを舞台に、移りゆく時代を跨いだ5日間の物語。

  • ギブソンとマティーニ

    無名作家の私と不思議な魅力を持つ美瑛。ふたりの過ごした一瞬の風のような時間の物語。

最近の記事

【六十六杯目】ペルー「フェスパ農園 カトゥーラ」(堀口珈琲)

1.基本情報焙煎:フレンチロースト 価格:¥1,700/200g 地域:カハマルカ県ハエン郡ウワバル地区ウアコ 標高:1,700m~2,000m 品種:カトゥーラ 精製:発酵槽を使用した伝統的ウォッシュト 購入はこちらから 2.テイスティングAroma(香り):干し葡萄(8) Acidity(酸味):渋皮を向くと現れる澄んだ響き(8) Body(コク・脂質):仄かなざらつき、枝感(7.5) Sweetness(甘味):余韻として十分な甘味(7) Clean(キレイさ、濁

    • 【六十五杯目】ペルー「フェスパ農園 ティピカ」(堀口珈琲)

      1.基本情報焙煎:フレンチロースト 価格:¥1,836/200g 地域:カハマルカ県ハエン郡ウワバル地区ウアコ 標高:1,700m~2,000m 品種:ティピカ 精製:発酵槽を使用した伝統的ウォッシュト 購入はこちらから 2.テイスティングAroma(香り):深煎りの向こう、奥ゆかしくも印象的な香り Acidity(酸味):軽いタッチ、アップライトピアノ Body(コク・脂質):最適な額縁、印象を鮮やかに彩る Sweetness(甘味):体が欲する流麗な甘味 Clean

      • 【六十四杯目】コスタリカ 「【モンテス・デ・オロ】カリサル・アリバ SL28」(堀口珈琲)

        1.基本情報焙煎:シティロースト 価格:¥2,484/200g 地域:サン・ホビ/レオンコルテス/サンパブロ 標高:? 品種:SL28 精製:ウォッシュト 購入はこちらから(終売の模様) 2.テイスティングAroma(香り):ビターな赤ワイン、確かな手触りを感じる香り(8) Acidity(酸味):豊潤な酸、酸っぱくはない、舌の上で贅沢に噛み潰す(9.5) Body(コク・脂質):太い音を喉の奥までしっかり届ける(9) Sweetness(甘味):オーケストラを支えるホ

        • 堀口珈琲研究所セミナーに行ってきた(後編)

          前回は、「堀口珈琲研究所セミナーの概要」や「スペシャリティコーヒー」の基本的な要素を語りました。 今回はいよいよ、 こおひいの評価と言語化について進んでいきたいと思います! 前回記事はこちら 5.テイスティングの方法喫するこおひいの品質が良いのか悪いのか——? 点てるあなたの抽出は適しているのか——? 或いは、焙煎具合は豆の個性を活かしているのか——? を客観的に評価していくためには、やはり基準音、つまりはテイスティングのスキルが必要。 というわけで、ボクが教わったテイ

        【六十六杯目】ペルー「フェスパ農園 カトゥーラ」(堀口珈琲)

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        • ☕️ もし僕らの言葉が“こおひい”であったなら🖋
          66本
        • 掌編(短いお菓子)
          3本
        • テレグラフにいた
          50本
        • 五月の5日間
          6本
        • ギブソンとマティーニ
          7本
        • 夜と海
          4本

        記事

          堀口珈琲研究所セミナーに行ってきた(前編)

          なんとも言えぬ この味、この香り、この感覚を遺したい、伝えたい。 文芸もこおひいもわからない! わからないから面白い。 極めて文系的な人間が、 コーヒーテイスティングセミナーに行った話。 1.堀口珈琲研究所セミナーとは?小田急線の千歳船橋駅から徒歩2分程度。 ビルの二階にひっそりと佇む「堀口珈琲研究所」。 この場所で、月数回、熱いコーヒーセミナーが行われている。 今回、ボクが参加してきたのは、 「テイスティング(カッピング)初級」 特別な参加資格はなく、 「コーヒ

          堀口珈琲研究所セミナーに行ってきた(前編)

          六十三杯目「鉄塔」

          朝、君のこころに梯子をかけて 煤に塗れた鉄塔のうえに登ってごらん まだ汚されていない景色が見えるから 毎週末の朝、珈琲を飲んで浮かんだ散文をお届けします。 優しい一日を迎えましょう。 フォローもぜひ。 (四月一)

          六十三杯目「鉄塔」

          六十二杯目「未来の子どもたちへ」

          未来の子どもたちへ ビルを建て 階段を建て エスカレーターとエレベーターを建て 線路を敷き 駅を作り 列車を走らせる ミライの子どもたちヘ エスカレーターとエレベーターを止めて 階段を崩して ビルを壊す 列車を廃線にして 駅を貨物庫に変えて 線路を鉄屑にする 飛行機、船、人工衛星 電気、ガス、水道 コンピュータ ミライノコドモタチヨ 何が欲しい? 毎週末の朝、珈琲を飲んで浮かんだ散文をお届けします。 優しい一日を迎えましょう。 フォローもぜひ。 (四月一)

          六十二杯目「未来の子どもたちへ」

          六十一杯目「朝のランプ」

          ランプの下で寄り添って たくさんお話をした 大きなお花みたいなシェードの下で 顔を寄せ合ってお話をした あなたは外国から帰ってきた だから、たくさん話をしてくれた。 大きな船の風を切る 甲板で並んで飛ぶ海の鳥の話 わたしはあなたを待っていた だから、たくさん話をした。 クッキーを焼いたこと ラナンキュラスが素敵な花を咲かせたこと 話し疲れてふたりは眠ってしまった 夢にあなたの話が出てきた でもね、 夢の中であなたの船はね 沈んでしまっていたの 明け方ふと目を覚ました

          六十一杯目「朝のランプ」

          六十杯目「そのスピードで」

          もっと速く、遅くなれたら もっとゆっくり、スピードを保ち もっと短い言葉で もっと長く続けたい 毎週末の朝、珈琲を飲んで浮かんだ散文をお届けします。 優しい一日を迎えましょう。 フォローもぜひ。 (四月一)

          六十杯目「そのスピードで」

          五十九杯目「yasou」

          想うのは、 牛だったときのこと 藁の上に寝そべり、 僕は月を眺めていた 小さな虫が月を目指していた 無数の羽ばたきが星のようで、 僕はひとつ欠伸をしていたのだが 毎週末の朝、珈琲を飲んで浮かんだ散文をお届けします。 優しい一日を迎えましょう。 フォローもぜひ。 (四月一)

          五十九杯目「yasou」

          五十八杯目「ワルツ」

          風は夕刻 囀りは朝 木は窓辺 影はカーテンの裾、ソファの隅 六弦の音、葡萄酒の瓶 スローワルツ 日々のコントラスト 毎週末の朝、珈琲を飲んで浮かんだ散文をお届けします。 優しい一日を迎えましょう。 フォローもぜひ。 (四月一)

          五十八杯目「ワルツ」

          五十七杯目「エブリシング・ミーンズ・ナッシング・イフ……」

          僕はね、 死にたいなんて、 一度たりとも考えたことがないんだ。 エブリシング・ミーンズ・ナッシング・イフ…… (Everything means nothing, if……) 海岸線はどこまでも続き、 浜辺はまるで小さな砂漠のようだった ただ、どこからか打ち寄せる波の音と どう行き着いたのか、 点在する干からびた流木だけが 海の存在を報せる 喉が、乾く 風に混じる潮を食む 毎週末の朝、珈琲を飲んで浮かんだ散文をお届けします。 優しい一日を迎えましょう。 フォローもぜひ。

          五十七杯目「エブリシング・ミーンズ・ナッシング・イフ……」

          五十六杯目「芸術」

          転がる 脱兎のごとく、転がる 生きる 抜け殻になっても 留める ペンとメモ紙として 滑る 磨き立ての靴で 転がる 毎週末の朝、珈琲を飲んで浮かんだ散文をお届けします。 優しい一日を迎えましょう。 フォローもぜひ。 (四月一)

          五十六杯目「芸術」

          五十五杯目「博学なオウム」

          そのオウムは博学で いろんな話を知っていたから 終ぞ、僕の言葉を真似ることはなかった 毎週末の朝、珈琲を飲んで浮かんだ散文をお届けします。 優しい一日を迎えましょう。 フォローもぜひ。 (四月一)

          五十五杯目「博学なオウム」

          五十四杯目「しあわせな砂漠」

          いいかね? ニューヨーク、パリ、ロンドン…… 街にも色々あるように 砂漠にだって色々あるんだ まずもって、初めの分類は しあわせな砂漠 と そうでない砂漠 いいかね? これは大事な事だから ちゃんと覚えておくんだよ 毎週末の朝、珈琲を飲んで浮かんだ散文をお届けします。 優しい一日を迎えましょう。 フォローもぜひ。 (四月一)

          五十四杯目「しあわせな砂漠」

          五十三杯目「一昨日のこと」

          一昨日のこと キミはボクに会いたいと言った もう五年も経っていた それなのに、キミはボクを思い出したのだ——と ボクはキミを忘れていたよ もう随分、綺麗さっぱりにね でも、今は違う 思い出してしまった だって、今日は一昨日ではないのだから 多分、明日も 毎週末の朝、珈琲を飲んで浮かんだ散文をお届けします。 優しい一日を迎えましょう。 フォローもぜひ。 (四月一)

          五十三杯目「一昨日のこと」