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ちはやふる神さまからの贈り物ホールに残るホルンの響き

ホールなどで演奏される音楽が終わった瞬間の残響に、いつも心が震えます。音楽をしていてよかったと。


🫒音楽教室の発表会

音楽教室でホルンを習っています。先日、教室の発表会がありました。

会場は、近くの大きな施設の小さい方のホールでした。小学校の教室二つ分ほどの広さに、生徒とその関係者50名くらいだったかとおもいます。

ステージ


🫒AmazingGrace


演奏したのはAmazingGraceアメイジング グレイスです。有名な讃美歌なので、『神の素晴らしい恵み』という意味になるとおもいます。私には信仰がないのですが、この旋律は間違いなく音楽の恵みです。

人が歩く速さの音楽です。呼吸するような、会話するような美しい旋律メロディです。

その旋律を、アレンジを加えながら四回繰り返しました。とても洒落た編曲な上に、ピアノの先生が素晴らしい伴奏をしてくださいました。

ホルンソロに始まり、ピアノは四小節あとから素直な和音を静かに合わせてきます。二回目のアレンジは旋律に装飾音符がつきます。それからピアノソロが入り、キイが上がる合図の和音を鳴らして低音からの分散和音でホルンの旋律を呼んでくれます。

三回目のアレンジは、ホルンにピアノが対旋律を合わせて華やかになります。ピアノが美しくて楽しかったです。先生が私のつたないホルンを聴いてくれていて、ピアノで話しかけてくれているようでもありました。プロの技術と先生の人格に、いつも圧倒されます。

🫒あなたが音楽をするのよ

はじめてピアノの先生と合わせる練習をしたときに注意されました。

「ピアノ見ちゃだめ。客席は向こうよ。あなたが音楽をするのよ。こっちが合わせるから前だけ見てなさい」

『私が、音楽を、する』

吹奏楽で音楽を決めるのは指揮者です。『こういう音楽にします』という情報を奏者たちと共有して、全員で音楽にします。『自分が音楽をする』とは、まったく慣れてない感覚です。

本番のとき、無意識にピアノに合わせようとしてしまう箇所がありました。先生は私に合わせようとしているので、テンポが揺れました。

そうだ、私が音楽をしなければ

鼻歌のとき、カラオケをするとき、自分の音楽をしているはずです。

四回目、最後の旋律は一回目よりも高く華やかなキイで、金管楽器らしく朗々ろうろうと歌うものでした。ピアノは和音を三連符で慣らしつづけて、ソリストの気分を上げていきます。

音楽の恵みそのもののような旋律にのって、私の音楽は終演しました。

残 響

ちはやふる神さまからの贈り物ホールに残るホルンの響き

自分の音楽を忘れてテンポを無意味に揺らしてしまったし、息継ぎも練習でしたことない場所でしてしまいました。おもっていたことの三割くらいできなかったけれど、その残響は私が聴きたかったホルンのものでした。

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