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詩集『アプリコットジャム』

19
杏子とお砂糖、煮詰めました。
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2019年11月の記事一覧

【詩】trash

久しぶりの雨だ
ベランダの手すりが歌っている

二階から飛んでもどこへも逝けない

体が邪魔
心が邪魔

与えられてそのまま生きてる

浪費だ
少しも楽しくないのに

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ひとりじゃ上手に立てもしないのに
まったく烏滸がましいな。

【詩】passed

ビタースイートチョコレート
喉元過ぎた 熱さは忘れた

甘い言葉 苦味を残して
口の中に まだあるぬるさ

影、過去に移りゆくさなか
間違ったレシピ 悪くなかったよね

焦げついたまま
なんだか縋るみたいね

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小さな頃からチョコレートが好きでした。
ご褒美はチョコパイ、相変わらずです。

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【詩】甘ノ惹-あまのじゃく-

【詩】甘ノ惹-あまのじゃく-

君の「バカ」は、「寂しくさせないでよ、好きなんだから」

君の「だいっきらい」は、「くやしいけどそういうとこも大好き」

そんなことまでわかっちゃったよ。

だってそんな天邪鬼な君のこと、僕は本当に大好きなんだ。

またあるときの「バカ」は、「これ以上惚れさせてどうするの?好き」

「むかつく」は、「そういうとこほんとずるい、好き」

こんなことを書くと君はまた可愛い顔をして言うんだろう。

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