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食卓の向こう側(7)身土不二 外見は同じでも”違う”野菜

今日も「食卓の向こう側」を紹介、今日は野菜についての記事。。。

新鮮さと品揃えを競うスーパーの野菜売り場。「今夜は野菜たっぷりの鍋料理です」と主婦。若い女性はサラダパックをかごに入れた。

だが「外見は同じでも今野野菜は一昔前の野菜とは別物」と、長年、土とミネラルの研究をしてきた農業科学研究所(熊本市)綜合医学理事長の中嶋常充(とどむ)(83)

それを裏付けるのが、二〇〇〇年に十八年ぶりに改訂された「五訂日本食品標準成分表」。一九六三年に出された三訂と比べてホウレンソウに含まれるカルシウムは二分の一、ビタミンCは三分の一に減っている。

根ものの大根にいたってはカルシウム、ビタミンCともに八分の一程度。一九八二年の四訂と比較しても、全般的にミネラルやビタミンの減少が目立つ。

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中嶋は、大きな理由として「土の中のミネラルバランスが崩れた」ことを挙げる。動植物の体内でつくられるビタミンと違い、亜鉛や鉄などのミネラルは元素そのもの。

野菜畑の土壌の「質」が大きくかかわる。昔は、人間や家畜の排せつ物、稲わらなどが畑にまかれ、元素が循環していた。

ところが、収量増や効率化などを背景に、近代農業では化学肥料を多投。

その結果、土壌の三大栄養素である窒素、リン酸、カリは過剰になった一方でタンパク質合成をスムーズにする銅など生物の働きを活性化する微量ミネラルは欠乏状態となり、体内のビタミン(元素の結合体)の生成量も減ったという。

「ウイルスがいるから風邪をひくんじゃない。弱った体にウイルスが入り込むから風邪をひく。それと同じように、ミネラル不足で土が”健康”でないから、栄養価の劣る作物ができてしまう」

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「旬」のときに、そうでないときの差もある。野菜は「旬」のときに最も生命活動が盛んで、食味も良くなり、収量も増える。

五訂によると、冬どりホウレンソウのビタミンCは百グラム当たり六十ミリグラム。夏どりの三倍だ。

今や、品種改良や栽培技術により、夏のトマトは年中食べられるようになり、春のイチゴは十二月が「旬」と思われてしまうほど。

旬を外した野菜をありがたがる消費者が悪い?

それとも価格の高い端境期を狙って生産する農家が問題?

宮城県の民俗研究家、結城登美雄(58)は「自然の都合に食卓を合わせるか、食卓の都合に自然を合わせるか。そこに未来の分かれ目がある」という。

一九五八年に年間百十一キロあった日本人一人当たりの野菜摂取量は、二〇〇一年には百二キロ減少。

一日の摂取量は279グラムと、国が「食生活指針」で掲げる目標の三百五十グラムに届かず、量。質ともに足りない。

「身土不二(しんどふじ)」(仏教用語で、体と土は同じである、の意味)。その土が病んでいる。中嶋は、健康を害する現代人の姿を、もの言わぬ土に重ねる。


野菜消費量を増やした米国の作戦

生活習慣病に悩む米国では1991年、「低脂肪、高食物繊維食として、1日5品目以上の野菜・果物を食べよう」という「ファイブ・ア・デイ(5 A DAY)」運動を開始。3年間で野菜の消費量は15%、果物の消費量は17%増えた。


転載終わり

イギリスでも「ファイブ・ア・デイ(5 A DAY)」運動が展開されてる。


今回の記事のタイトルでもある身土不二は、その土地でその季節にとれたものを食べるのが健康に良いという考え方。

イギリスでは夏の果物のイメージが強いいちご、カップに入った真っ赤なイチゴに真っ白な生クリームをかけた「ストロベリー&クリーム」はウィンブルドン選手権の名物、1877年から続く観戦のお供!



いちごの本来の旬は春~初夏。俳句の世界でも、「いちご」は夏の季語とされてる。

日本にいたときはクリスマスケーキのイメージで「いちごって冬の果物じゃないの?」って思ってたけど、屋外で栽培されるいちごが主流だった1960年代頃までは「いちごの旬は春~初夏」という考えが一般的だったそう。

ハウスなどで人工的に春の環境をつくる促成栽培が普及、いちごは11~12月頃から収穫できるようになった。

これは、いちごの需要が爆発的に増えるクリスマスにあわせて、品質の高いいちごを冬の時期から収穫するために考えられた技術。


オーガニックの野菜&果物のデリバリー「Riverford」は「今が旬」、「もうすぐ終了」とか、教えてくれるからありがたい。

旬のものを食べたい消費者の気持ちは世界共通、季節によってはすぐ売り切れになることも…


ファーマーズマーケットでも、季節によって扱っている野菜は違う。冬は野菜や果物の種類が減りディスプレイも寂しい感じになる。

旬の野菜はハウスものより生き生きしてて、食べると体の細胞が喜んでるのがわかる。

「その土地でその季節にとれたものを食べる」

イギリスならではの旬の野菜や果物を摂り、これからも元気に過ごしていこう。


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