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素敵なしおり

しおりをいただきました。
読みかけの本にはさむ、あれです。
しおりって挟めれば良いので、薄ければお買い物のレシートでも何でも良いですよね。ページを開いたまま伏せておけば、そもそも必要ではなかったり?
いただいたのは、薄い金属でできたステンドガラスのような上品なしおりです。
感動してしまいました。
しおりがこんなに嬉しいなんて、初めてかもしれないです。
美しさもさることながら、喜ぶ理由がありまして。
それは…今、読書に目覚めているから、です。
秋でもないし、そんな事を堂々と言っちゃう自分が恥ずかしいですが。

子供の頃は本を読むのが好きでした。
実家にはそこそこの大きさの、本や絵本が詰まった本棚が今もあります。
母親に読んでもらったり誕生日などに買ってもらったり、時に重ねて踏み台だったり(危ないし、失礼ですね)。親の影響もありますが、小さなころから本はいつもあたりまえにあるものでした。暇だなと思ったら本を読んでいました。同じ本でも、何度も何度も読みました。

父は公立校の教員、母は専業主婦で子供3人。経済的に厳しかったようです。大人になってから、母の自転車操業的な家計運営の苦労を何度か聞かされています。小さい頃からおもちゃはあまり買ってもらえず、三姉妹にリカちゃん人形が一体でドレスも一枚でした。小学生になり、ゲームを散々ねだりましたが、やはり買ってもらえませんでした。でもそんな中、なぜかいつも本だけは買ってもらえました。それは今でも何となく満たされた思い出として残っています。

「○○はいつも本読んでたじゃない」
二年ほど前、小学校時代の恩師の還暦祝いの食事会に参加した時です。
息子を旦那に預け、一人で新幹線で実家へ向かいました。それまで甘えん坊息子と離れて寝たのは幼稚園のお泊り会だけで、出産してからそんなに長い時間、しかも夜をまたいで一人になったことはありませんでした。久しぶりに居酒屋に行ってお酒も飲んで笑って。スゴく楽しかったです。そこで30年ぶりくらいに再会した、恩師に言われました。

そうでしたっけ…今…そんな読んでないです…
それまでのテンションMAXで浮かれていたのが、急に素に戻りました。
言われて思い出したという感じです。
小学校の図書室、確かによく行っていました。退色した古いカーテン、古い本多めの、茶色いイメージの図書室でした。
そういえば私、図書委員会だったな。

残念ながら読書感想文なども得意ではなかったし、今までの人生において、読んだ本の影響でどうこうしたというようなエピソードは皆無です。
でもとにかく、本読むのは好きでした。
今、本読んでない!本のない生活送ってた。
いつからこうなった?

年おうごとに頭悪くなってると落ち込んでいましたが、本読んでいないからじゃないかとすら思ってしまいました。

私は不器用です。仕事でも子育てでもひとつのことしかできず、並行して趣味とか好きなことをやるというか、上手くオンオフつけたりが出来なかったです。しかも時間の使い方が下手すぎて、いつも疲れてて。髪振り乱して、という言葉がぴったりかもしれません。
そしてそれが、たいしてスゴい成果をあげるでもなく、何かカタチになることもなく。
その時々、精一杯やってきたんですけど。

最近「お子さんが複数いても、好きな車に乗ってるカッコいい家族」を二組知りました。カッコいい旧車のワーゲンバスの家族と、真っ赤なミニの家族。ミニのお宅はお子さん3人です!
ブレないで素敵だなと思います。
我が家も息子が2歳くらいまでは、自分達なりにお気に入りの車に乗っていたのですが、ツードアの車だった為に息子の乗せおろしが大変で。長年乗った愛車を泣く泣く手放し、スライドドアのファミリーカーに乗り換えてしまいました。

話が少しそれましたが、結局のところ本読む余裕なかった、という言い訳です。

時は流れ…ですが

今、毎週、図書館に行っています。
毎週火曜日、息子を習い事に隣駅に連れていきますが、以前は待ち時間の数十分をスーパーやドラッグストアで買い物をしていました。しかし今は、少し歩いて大きい図書館へ向かいます。こちらの図書館で借りられるのはなんと一人10冊まで!普通でしょうか?そんなに借りていいの?読み切れずに借りなおすこともありますが、ずっしり10冊頑張って借りています。絵本も漫画も借ります。ネットで読みたい本を予約したり、貸し出しの延長なんてこともネットで出来る現代の便利さに驚いています。
貸出の手続きの際に、○日までという返却期限の紙片を1枚挟んでくれます。実はしおりを頂くまでは、それをしおりに使っていました。

そしてあともうひとつ。息子の小学校の図書ボランティアに参加しました。保護者がボランティアで定期的に本の修理や整理(希望者は読み聞かせの活動もあるようです)をするもので、堂々と学校の図書室に行けるのです。自分が本を読むということとは少し違うのですが、ぜひやりたいと思い、勇気を出して図書準備室を訪ねました。

冒頭のしおりをくださったのは、その学校図書館の図書専門員の先生です。先生は小さくて優しくて、私より年上だけれども可愛らしくて、本のことなら何でも知っています。
先生、何もお伝えしていないのにタイミングぴったり。先生にも応援してもらってると思うことにします。

私は難しい本は読めません。
あまり長い本も無理です。
昼はいつも時間が足りず、夜は眠くて睡魔にすぐ負けます。
だから読めるときに読めるだけ、ただただ読みます。
あれも読みたいこれも読みたい。
読みたい本はたくさんあります。
だからしおり、大活躍間違いなし!
次、何読もうかな。

書き終わってふと冷静に。
図書館専門員なのですから、先生がしおりを下さるのは、自然なことなのかも?いつもそうなさっているのかもしれませんよね。
でもでも。きっと優しい追い風ですね。






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