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Apple Watch Series 7の同じようで違うデザインを探る

あまり変更点がないと思われているApple Watch Series 7ですが、細かくみていくと実際には変化があることがわかります。
今回はSeries 6と同じようで違うデザインを細かく探ってみたいと思います。

同じようで違うデザイン

Series 6とSeries 7の画像を並べてみます。
最初に気づく違いは、Digital Crownの位置ですね。
側面から見てかなり取り付け位置が下がりました。

画像1

Apple

ちなみに、Digital Crownは、正面から見た時の位置にも変化があります。

画像2

Apple
https://www.apple.com/jp/watch/compare/
※赤い線は筆者記入

引用した画像は、Series 7とSEを比較したものです。
SEとSeries 6でDigital Crownの設計に違いはないと思われるので、画像が入手しやすかったSEで比較しています。

Series 7の方がDigital Crownが薄くなっているように見えます。
ですが実際は、筐体により深く取り付けられているせいで、そう見えるだけのようです。
上の画像の中の赤い線で示した、Digital Crownの厚みは両者とも同じです。

ところで、Series 7になって、Digital Crownが押し込みにくくなったと感じます。
これが、取り付け位置の問題なのか、内部構造の変化によるものなのか、はっきりしません。

筐体の他の部分も変わっていますが、並べて見ただけでは分かりにくいので、重ね合わせた画像を用意しました。

画像3

重ねてみると、マイクの位置やサイドボタンの位置も若干変化していることがわかります。

ディスプレイはSeries 7の方がSeries 6より分厚い可能性があります。
しかし、外側から見える部分ではSeries 7の方が薄くなっているようです。Digital Crownの位置が下がったのは、内部でディスプレイの厚みが増えたことによるものかも知れません。

背面のセラミックパネルもSeries 7の方が薄くなっています。

比較画像では分かりませんが。反対側の側面もスピーカーの形状に変化がありますね。

最も大きな変化は、バンドの取り付け位置の変化でしょう。
Series 7では、筐体が大きくなった分、バンドの取り付け位置がやや外側に移動しています。
取り付けの角度もほんの僅かに内向きに変化しているようです。

筐体のサイズが1mm大きくなったことで、バンドも1mm程度緩くなっているはずです。

付け心地への影響はほとんどありません。
例外として、フィット感の強いサイズ選びをしたソロループなどは、少し緩くなったのを感じられるかもしれません。

私の場合、サイズがちょっときつくてあまり使っていなかったブレイデッドソロループを久しぶりに使ってみたところ、適正サイズになっていました。
ただ、Series 6につけてみても、(Series 7ほどではないにせよ)少し緩くなっている感じがしたので、経年変化でバンドが少し伸びているのかもしれません。


ディスプレイの進化

Series 4ですでにベゼルレスデザインを達成していたApple Watchですが、Series 7ではさらにベゼルが削られました。

画像4

Apple
※画像はSeries 5です。

ベゼル幅は1.3mm細く、筐体は1mm大きくなっただけですが、表示領域は約20%増となりました。
もともとのスクリーンサイズが小さいので、ちょっとしたサイズ変更が大きな影響を生じています。


そして、Series 7のディスプレイでは、側面から見た時もディスプレイ表示面ががわずかに見えるようになっています。
Appleのウェブサイトでもかなりアピールされています。

画像6

Apple

従来モデルは,ディスプレイを保護しているガラスのパーツは内側がくり抜かれたような構造になっていたところ、Series 7では、くり抜きのない平らな面がディスプレイ全面に接する構造になっているようです。従来はディスプレイとガラスの間に空洞があったわけです(以上の説明は、以下の動画を参考にしています)。


Appleに言わせれば、側面からディスプレイ面が見える設計はソフトとハードの一体感を高める要素ということになります。


「より丸みを持ち、角がソフトになり、画面の輪郭に美しい反射を生み出すディススプレイのクリスタルは時計のケースの内側に向かって回り込むような形になっており、画面表示とケースとのより密接なつながりを感じさせる効果があります。」
https://www.pen-online.jp/article/009432.html
※太線部筆者


通常、ディスプレイ上のコンテンツがは2次元的なものだと考えられています。正面からも側面からも見えるということはありません。
一方、筐体部分は正面からも側面からも見ることができます。

Series 7の横からも見えるディスプレイは、ディスプレイ上のコンテンツに3次元的な性格を付与して、筐体との一体感を高めるものと解釈できます。


また、「画面の輪郭に美しい反射を生み出す」(前記引用)という点も重要な特徴です。
Apple Watchでは、カバーガラスのエッジのラウンドが強く、ディスプレイの上に重なっています。

Series 4からのデザインで、過去の記事でも触れました。


Series 4 の頃は明言されていなかったように思います。
Series 7では反射の程度がかなり顕著になり、製品画像でもコンテンツに重なる反射光が描かれています。

本来であれば、反射光がディスプレイ上のコンテンツをさえぎってしまうので、合理的ではありません。しかし、反射する様が美しいということで、あえて採用されています。
宝飾品としての性質とシンプルさを見事に両立させているといえます。

これからの進化

Apple Watchはたびたび外観の大きな変更が噂になっています。
バンドの互換性がなくなるという話もあります。

バンドについては、デザイナーのインタビューでかなり踏み込んだ発言がなされています。

「多くの人がコレクションし何年も愛用し続けているApple Watchバンドがそのまま使えなくなるような妥協をしたりしたら、それは後退でしかない」
https://www.pen-online.jp/article/009432.html

バンドの互換性を捨てれば、大幅な設計変更が可能なのはいうまでもなく、Appleも選択肢の1つとして検討してきたはずです。
噂が流れたのも、Apple内部でそうした検討があったからでしょう。

その上で、バンドの互換性を残すことを明言したわけですから、当面はバンドの互換性が期待できそうです。

一方、筐体の外観デザインは、Appleの製品ラインナップ全体とのバランスから見れば変更されてもおかしくありません。

その場合、バンドの互換性を維持したまま現行モデルと同程度の内部容量を維持・増加できるのかという疑問はあります。
試しにSeries 7の製品画像で考えてみます。

画像5

画像の枠で囲った部分いっぱいまで筐体を拡張することを考えると、意外とできなくもないように見えます。

とはいえ、前述のとおり、ラウンドエッジのカバーガラスには、他のデバイスとは異なる役割があるので、フラットデザインにする必要性はあまり高くありません。

皆さんはラウンドエッジとフラットデザイン、どちらがお好きでしょうか。

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