20世紀後半からの主流哲学の構造。
20世紀後半からの思想哲学は、もっぱら哲学という叙述形式が有していた論理と、それによって追求することでもたらされるはずの永遠性が、
19世紀の固定的なものから、観察され続ける現象の流動性に仮託されており、
それを観察し続けることで、即時的な霊性の復元を論じるものとなった。
いうなれば流転する万物の復権であり、固定化の顛末ごと内包し、それらを見通しよく迂回しながら再構成する論理であり、対象と主体の間で循環するものが主題とされるのが現代の主流の哲学だからである。
その傾向を総じて構造的に述べると、20世紀後半からの西洋哲学は、
それぞれに達成された近代を所与の現実とし、認知そのものを理性の根元と定め、そのような人間の外部を固定化の代替とすることで成立している。
哲学史的に言うならば、その内容として語られる認知に付随する動名詞的な概念(たとえば観察など)や、それによって見いだされる存在を支える名詞的な概念(たとえば差異など)によって維持される人間は、
人から生まれたら人であるという所与の現実をあらかじめ共有している存在であり、
始めから晩年のアリストテレスであるかのような状態から始まっているのである。
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