2つのマジック・リアリズム。
マジック・リアリズムは、シュルレアリズムの突つけば死ぬような内的亡命的な性質を、現実に引きずり上げ、自身の内面から目を上げる。
この場合、現実の方が現実のまま夢と化す。
ガルシア・マルケスのマジック・リアリズムは新たな生活を予感させる原始の終わりだが、
ユンガーのそれは中世ではいられなくなった暮らしの終わりそのものであり、これは創世と黙示録、平時と戦時の違いと言える。
なぜならば、ガルシア・マルケスのマジックリアリズムが単なる戦後であるのに対し、エルンスト・ユンガーのそれには